2023・2024年度の活動に向けて

一般社団法人日本販売士協会 会長 大島  博
一般社団法人日本販売士協会 会長 大島  博
(株式会社千疋屋総本店 代表取締役社長)

長く継続したコロナ禍も、ようやく収束が見えてまいりました。日本経済、特にコロナ禍の影響を強く受けてきた小売・流通業分野においても、前向きの動きがみられます。しかしながら、物価高・コスト高、デジタル化・AI化の進展、人手不足など、様々な課題への対応が引き続き求められています。「ポストコロナ」の消費回復に期待するだけではなく、コロナを克服し、環境変化に対応して成長していく「ビヨンドコロナ」に向け、チャンレジしていくことが必要です。

今こそ、リテール分野の幅広い知識と現場での経験を持つ「販売士」の皆さんが総合力、応用力を発揮すべき時であると思います。販売士の知識や経験が今こそ求められています。
当協会では、①販売士学習者・受験者の掘り起こし、②各地販売士協会の活性化、③登録講師の活躍推進を3本柱として事業を実施しています。これらの事業は相互に目的であると同時に手段であり、総体として、販売士制度の普及振興によるリテールビジネスの健全な発展、消費者サービスの向上という当協会のミッションの実現を目指しています。

2023年度におきましては、日本商工会議所と連携し、教育機関内で各地販売士協会会員や登録講師が講義を行う「日商キャリアアップ応援隊事業」を実施しております。本事業は、商工会議所法に基づき、ビジネス技能の普及振興による経済振興を目的に実施されているリテールマーケティング(販売士)検定が、まさにビジネスの現場で役立つことを伝え、若い学生のキャリアアップを応援するもの。全国各地、各方面で活躍する販売士が、ビジネス経験を活かして若い学生に講義を行う本事業は、学習者・受験者の掘り起こしにとどまらない大きな意義を持っています。各地での素晴らしい実施事例を資料とともに会員の皆様にご提供しておりますので、ご参照いただければ幸いです。

2024年は販売士制度創設50年の節目の年にあたります。50年の間、リテールビジネスにおいても様々な変遷がございましたし、今後も様々な変化があるものと存じます。当協会では、節目の年に向けて、会員の皆様とともに、販売士制度の普及振興に取り組んでまいりたいと存じます。
皆様の活動を支援するため、リアル・オンライン双方の利点を活かし、情報提供や交流・研鑽の場の充実を図ってまいります。皆様のご支援・ご協力、よろしくお願い申し上げます。

会報「販売士」2023年9月号から転載