会報販売士2022年12月号

リテールマーケティング(販売士)検定の受験者数は1994年をピークに減少傾向にあります。養成講習会の回数、受講者数も減少しています。

そうした中、各地の販売士協会、登録講師においては、販売士学習者を開拓する新たな取り組みがみられます。東京販売士協会の木下浩司さん(登録講師)のコーディネートにより、一昨年日本大学で始まった登録講師による15回連続講義は、本年度は日本大学に加え、高千穂大学でも実施されました。両大学で合計150名を超える大学生に販売士理論と実務のつながりを伝えています。

大学との連携講座は今秋、岩手県立大学(81名受講)、西南学院大学(243名受講)にも拡大。盛岡販売士協会、福岡販売士協会からの講師派遣により年内に1 ~3 回の講義が実施されています。
滋賀県販売士協会では地元商業高校にアプローチし、従来大手の資格専門学校が実施していた講座を新たに請け負うことになりました。新講座のポイントは社会・実務経験を体験するカリキュラムを目指していること。運営面では「養成講習会」スキームに加え、大津商工会議所と連携し「団体受験」スキームを活用する予定です。

新規開拓とともに維持継続も必要不可欠です。

神奈川販売士協会では、2005年度から湘北短期大学での通年講座に講師を派遣しています。通年のうち半期は養成講習会です。札幌販売士協会では5 年前から札幌国際大学で養成講習会を開講、本年2 月に全国最年少の1 級合格者を輩出、2022年度は受講者数が過去最多となりました。

テキスト代の割引、科目免除などのメリットのある「養成講習会」は学習者を開拓するためのスキームとして引き続き有効です。

加えて、ネット試験化後に新たに導入された「団体受験」スキームの活用により、「『イベント(試験日)』がないためPRしにくい」「受験の有無・合否が分からない」といった「個人受験」の問題を解消するとともに、受験料割引等のメリットが得られます。

「養成講習会」という既存スキーム、「団体受験」という新規スキーム。ぜひ改めてご確認いただければ幸いです。当協会ではPR施策とともに各地の皆様の学習者開拓の取り組みを支援してまいります。

一般社団法人 日本販売士協会
専務理事 青山直樹

<上記は、会報「販売士」の連載企画「WAVE」に掲載されました。>

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