日本商工会議所はこのほど、2023年度に実施した日商主催の各検定試験【リテールマーケティング(販売士)、日商簿記、日商PC(文書作成)(データ活用)】の最上級で最も優秀な成績を収めた合格者に対する表彰式を開催した。表彰制度は1976年度から実施しているもので今回で48回目。また、2023年11月に開催した日商簿記の全国大会「日商簿記‐1グランプリ」で、最も優れた成績を収めた大学・高校も表彰した。
 今回、表彰されたのは、リテールマーケティング(販売士)検定1級の小栗はるかさん、日商簿記検定1級の伊藤冴人さん、西島悠太さん、日商PC検定1級の和田優さん、栗田幸一さんの最優秀者5人と高崎商科大学経理研究所、岐阜県立岐阜商業高等学校の8人のメンバー。表彰式では、日商の小林健会頭から賞状と記念品などが授与された。

 表彰式で挨拶した日商の小林健会頭は「自身の目標に向かって日々研鑽を積まれ、最上位試験を最も優秀な成績で合格された皆さんの並々ならぬ努力に敬意を表します」と祝意を表明。また、「皆さんは、多くの受験者のいわば頂点に立たれた方々であり、今後は、是非とも後に続く方々の模範となり、産業界の発展を担う人材として、ますますご活躍されることを期待します」と述べた。受賞者を代表して挨拶した小栗さんは、「商工会議所検定試験の最上級において最優秀者として合格したことは、私たちにとって大きな喜びであり、今後の人生で大いなる自信となります。ますます研鑽を積み、それぞれの分野や地域で学業や実務に一層邁進します」と喜びと決意を表明した。

 リテールマーケティング(販売士)検定試験の最優秀者となった静岡県浜松市の小栗さんは、製菓・製パンの材料や道具、機械の卸売業などを営む地元の株式会社平出章商店に勤務。同社の小売部門に所属し、「ヒライデホームメイドストア」の店長として、商品計画・管理、オペレーション、広告宣伝やSNS発信、経営管理など、さまざまな業務に責任者として携わる。
 勤務先企業では、流通・小売業における専門知識を身に付けることを目的に社員の「販売士」の資格取得を推奨している。有資格者には1~3級の全級において資格手当を支給。社員のほぼ全員が販売士の資格を取得している。小栗さんも3級から順に資格を取得し、店長になるにあたり、流通・小売業に関する体系的な知識が必要と考えて1級の受験を決めた。
 受験に向けては、フルタイム勤務と子育てにより時間的制約がある中、ご家族の協力を得ながら、約半年前から学習を進め、受験日の2カ月ほど前からは、平日は2時間、休日は4時間以上の猛勉強。公式テキストである販売士ハンドブックの理解を徹底し、社内で初めての1級取得者に輝いた。学習に使用した販売士ハンドブックについて小栗さんは、「小売業についての知識が体系的に記されており、実際の店舗運営に役立つ内容であったため、スムーズに覚えることができた」と語っている。
 今後の抱負については、「今回学んだ知識を生かして、変化への対応、品揃え・サービスの見直し、独自化、差別化を図り、店を増収増益の軌道に乗せたい」と意欲を見せる。また、「今後は、業務の一環として、小規模の菓子店やパン店の開業支援も視野に入れており、その際のコンサルティングにも、1級販売士の資格取得で得た知識を生かすことができればと考えています」と今後の抱負を語った。

【リテールマーケティング(販売士)検定試験】

2023年度受験者数は1~3級合計で約1.75万人。1級の実受験者数1091人、合格者数222人(合格率20.3%)

 

表彰
表彰

 

 

 

 

 

 

 

詳細は、https://www.kentei.ne.jp/45376を参照。

平出章商店https://www.hanbaishi.com/case/5064