当協会会員による販売士制度普及振興の取り組み

2018年8月18日(土)に鈴鹿大学(三重県鈴鹿市)で開催された「日本商業教育学会第29回全国大会」において、当協会賛助会員(登録講師)で同大学准教授を務める高見啓一氏が講演を行った。

高見准教授講演会場

講演のテーマは、「Cool & Cuteな商業教育へ-大学発ベンチャー㈱鈴りん探偵舎-」。
同氏は、まず、自身が起業促進をライフワークとし、高等学校での商業教育・商業科の可能性に関心を持つに至った経緯として、中小企業診断士をはじめとする資格取得の経験や経営コンサルタントとしての活動から、資格・検定の有用性に目覚めたことを語った。
続いて、少子化など逆風の中、高校の商業科がどのようにして存在感を高めていくかが差し迫った課題となっていることを前提に、同氏が参画している三重県商業教育研究会での議論や取り組みの状況を述べた。

鈴鹿大学正門

さらに、自身が身を置く地方私立大学、特に、勤務する鈴鹿大学の状況を説明した。現在の大学での実践の取り組みは、“株式学習ゲーム”を活用して学ぶ「経営分析論」や起業プランの検討を通じて学ぶ「イノベーションマネジメント」等の「アクティブラーニング」の講座、また、“大学発ベンチャー”として学生らと設立した経営コンサルティング会社“㈱鈴りん探偵舎”の事業等である。㈱鈴りん探偵舎では学生コンサルタント(探偵)への販売士取得も奨励している。

高見准教授

同氏は、現在、「日商検定推進アドバイザー」として簿記や販売士などの商工会議所検定試験の啓発に取り組んでいる。商業教育については、“Cool & Cute”をイメージに発信力と地位を高めることの重要性を表明するとともに、実践の理論化と合わせて、産学官連携による資金調達が課題であることを強調した。
同大会には、全国から高等学校や大学の教員等約120名が参加し、同氏の講演に共感し、熱心に耳を傾けていた。
なお、同氏は、日本販売士協会広報委員を務め、同協会の事業や活動に関するさまざまな提案を行うとともに、同協会会報「販売士」での連載(「販売士アイドル」)を含め、特に教育機関へのリテールマーケティング(販売士)検定の普及促進活動に取り組んでいる。