当協会登録講師の販売士制度普及振興の取り組み

平成29年8月27日(日)に神戸市で開催された「日本商業教育学会第28回全国大会」において当協会登録講師が発表を行った。同大会には、全国から高等学校や大学の教員等約140名が参加した。

奥野氏

まず、当協会登録講師の奥野嘉宣氏(㈱ラボネットワーク)が「企業人からみた販売士学習の重要性」と題した発表を行った。同氏は、販売士資格が公的資格であり、流通・小売分野で必要な内容を幅広く総合的に学習できる科目構成であることから、同氏が勤務する㈱キタムラグループを含め、多様な業種・分野の企業が活用していることを、販売士資格取得者や人事担当者の評価を交えて報告した。まとめとして、学習により、修得した知識に基づく思考力、幅広く、あらゆる角度から客観的に見て推し量る想像力、自ら行動する実行力、相手のことを思いやる対人関係力が養われる等の効果が期待できることを強調した。

岸本ゼミ

続いて、当協会登録講師の岸本徹也氏(流通科学大学商学部)による「大学教員と大学生による商業教育における販売士教育の取り組み」と題した発表が行われた。岸本氏の趣旨説明に続いて行われた、岸本ゼミの3人の学生による報告では、岡山県立岡山南高等学校でのリテールマーケティング(販売士)3級検定試験の対策講座の講師を担当することにより、大学で受講するマーケティング等の科目に対する関心が増し、小売店の売り場の見方がわかってきたこと。また、大学で学ぶマーケティング等の授業に加え、販売士3級を教えるために必要な内容を学習することで、店舗での具体的な販売促進策を理論と対比して考察するという視点が得られたこと、さらには、受講生にわかるように言葉をかみ砕き、受講生の立場になって考えながら、限られた時間の中で工夫して伝える経験ができたことが大変有意義であったことが述べられた。一方、講座を受講した高校生へのアンケート結果から、受講生の知識向上につながったこと、受講生が商業系の学部や大学への興味が向上したことが判明した旨、報告があった。岸本氏は、今後も、このような取り組みの実施例拡大と教育効果の検証作業を進めていく方針である。