公正取引委員会は12月15日、「2025年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果を公表した。同委員会では、「要請受諾率は、サプライチェーンの段階を遡るほど低くなり、価格転嫁が十分に進んでいない」「サービス業のサプライチェーンにおいて、サービス提供業者(元請)や各段階の受注者がその先の取引先受注者からの価格転嫁を受け入れるための原資となるサービス提供業者(元請)から需要者(事業者)への価格転嫁が十分に進んでいない」など価格転嫁の問題点を指摘。また、「労務費転嫁指針の認知度はいまだ約60%にとどまっているところ、同指針を知らなかった事業者において労務費の価格転嫁が低調」「通常調査の回答者数に占める注意喚起文書送付件数の割合が低下しているものの、依然として協議を経ずに取引価格を据え置いている発注者が存在」などの課題も明示した。
 今後の取り組みについては、「労務費転嫁指針及び独占禁止法Q&Aの普及・啓発」「独占禁止法Q&Aに係る注意喚起文書送付の対象となった発注者等への対応」「労務費転嫁指針及び価格転嫁円滑化に関する調査の継続実施」などに取り組む考えを表明。中小受託取引適正化法(取適法)の2026年1月1日施行に向けて実施してきた「全国47都道府県における事業者向け説明会」「関係省庁と連携した業種別説明会」「中小事業者団体向けの広報・広聴企画」等の成果を踏まえ、優越的地位の濫用行為等に対する厳正な法執行とともに、今後とも広く周知活動を実施していく方針を示した。
 詳細は、https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/dec/251215_tokubetsuchousa.kekka.honbun.htmlを参照。
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