中小企業庁は11月28日、9月に実施した「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査結果を公表した。発注側企業から申し入れがあり、価格交渉が行われた割合は、前回から約3ポイント増の34.6%。価格転嫁率は53.5%(前回調査52.4%)で1.1ポイント上昇した。コスト要素別の転嫁率は、原材料費55.0%、労務費50.0%、エネルギーコスト48.9%。労務費の転嫁率は初めて50%に到達し、価格交渉が行われた企業のうち、71.9%が「労務費についても価格交渉が実施された」と回答している。
 価格交渉の実施状況を点数化し、発注企業の業種毎に平均点を集計した「価格交渉の実施状況の業種別ランキング」をみると、全30業種のうち、「卸売」は7位(前回11位)、「小売」17位(前回12位)。上位5業種は「建設」「化学」「造船」「電気・ガス・熱供給・水道」「情報サービス・ソフトウェア」で、下位5業種は、「トラック運送」「廃棄物処理」「建材・住宅設備」「石油製品・石炭製品製造」「繊維」だった。
 今回初めて公表した、価格転嫁率(発注企業、受注企業)の都道府県別ランキングでは、発注企業の所在地ごとに集計した転嫁率は島根県が最も高く58.6%。トップと最下位で10ポイント以上の差があった。また、発注企業の価格転嫁率が高い都道府県は、受注企業の集計でも転嫁率が高い傾向にある。
 アンケート調査の調査期間は9月24日~11月7日。回答企業数は6万9988社(回答から抽出される発注側企業数は延べ8万6538社)だった。
 詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251128002/20251128002.htmlを参照。