流通科学大学の岸本徹也ゼミにおける「高大連携教育」の取り組み

流通科学大学(兵庫県神戸市)商学部の岸本徹也教授(日本販売士協会登録講師)は、平成28年8月21日(日)に広島市で開催された「日本商業教育学会第27回全国大会」において「大学生主体の高大連携教育の試み」について報告を行った。

岸本教授

同教授は、大学生を主体とした高大連携が、大学生・高校生双方に教育効果をもたらすことを検証するため、平成25年度から、岡山県立岡山南高等学校の協力のもと、次のような取り組みを行っている。

「岸本ゼミ」では、同高校の3年生の研究課題「販売実習」の授業において、所属の学生が講師を務め、リテールマーケティング(販売士)検定試験の対策講座を行っている。今年度の授業は、5月に2回、6月に3回の計6回で、50分の授業を2コマずつ、毎回、演習問題や模擬問題に取り組んだ。

授業風景

授業は、将来販売職に携わりたいと考える生徒(今年度24名)が選択しており、学習の成果を図るため、同検定試験を受験している。生徒は、学習で得た知識を、地元スーパーマーケットやホームセンター等での販売実習に役立てている。

教室風景

この取り組みによる学習効果として、高校生にとっては、大学生から大学での勉強や学生生活の話を聞くことで進学後の具体的なイメージ形成に役立つ観察学習(モデリング)となる。また、大学生は、高校生に教える必要性から物事を深く理解することが求められ、職業で求められる論理展開や伝達力が養われると考えられる。また、講師を務める大学生が、熱心に授業を行うことにより、高校生によい影響が及ぼされ、自習時間が増え、理解度も高まるという効果もみられた。

同教授は、引き続き、この取り組みの実施例を増やしながら、教育効果の検証作業を進めていく。