公益財団法人日本生産性本部はこのほど、「日本の労働生産性の動向2024」を発表した。2023年度の日本の時間当たりの名目労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は5396円。物価上昇を織り込んだ時間当たり実質労働生産性上昇率は前年度比0.6%増と3年連続プラスとなった。23年度の日本の一人当たり名目労働生産性(就業者1人当たり付加価値額)は836万円。実質ベースの一人当たり労働生産性上昇率は前年度比0.5%増と3年連続でプラスとなったものの22年度(1.3%増)から0.8ポイント落ち込んだ。
業種別にみると、小売業は、2022年度に労働生産性が上昇したが、売上などを総合したアウトプット(産出)の伸びがマイナスに陥った影響から2023年度に入って減速。一方で、人手不足が深刻なこともあり、賃金は上昇が続いている。サ-ビス産業の労働生産性上昇率は、2020年後半から概ね0%近傍で推移。足もとの2024年4~6月期をみても、停滞基調に変化は見られない。
飲食店は、2022年後半に底入れし、その後、緩やかに回復。一方、賃金は、2024年に入って再び上昇に転じており、賃上げに生産性向上がなかなか追いつかない状況にある。製造業の労働生産性は、2020年第2四半期の急激な落ち込みからはV字回復したものの、その後停滞が続いている。2024年第1四半期に自動車の認証不正で生産活動が落ち込んだことも影響した。
詳細は、https://www.jpc-net.jp/research/detail/007107.htmlを参照。