カスタマーハラスメント(カスハラ)防止のための東京都の条例が都議会で可決、成立した。カスハラ禁止を明記した全国で初めての条例で2025年4月1日に施行。東京都はカスハラの代表的な行為類型や具体的な対応策等を盛り込んだ指針を年内に策定する。
 条例では、カスハラについて「顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するもの」と定義。「何人も、あらゆる場で、カスハラを行ってはならない」と明記した。就業者から商品またはサービスの提供を受ける顧客に対しては、就業者に対する言動に注意を払うよう求めるとともに、都内で事業を行う事業者に対しては「就業者がカスハラを受けた場合には、当該行為を行った顧客等に対し、その中止の申し入れその他の必要かつ適切な措置を講ずるよう努めなければならない」と規定した。
 指針ではカスタマーハラスメントの禁止規定、関連する用語の定義、代表的な行為の類型、顧客、就業者、事業者の責務、都の施策等を明示。東京都では、指針に基づき、支援事業等に関する情報の提供、カスハラ防止に資する行動に関する啓発・教育、就業環境に関する相談及び助言などの防止策を講じる。

 条例の詳細は、https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/09/11/18_01.htmlを参照。