経済産業省は18日、IAEA(国際原子力機関)が取りまとめたALPS処理水の安全性に関するレビューミッションの報告書を公表した。報告書は、2024年4月23~26日にIAEAの職員と国際専門家(アルゼンチン、英国、オーストラリア、カナダ、韓国、中国、マーシャル諸島、フランス、米国、ベトナム、ロシア)からなるIAEAタスクフォースのミッションが実施した調査結果等をまとめたもので、処理水放出後2回目のレビュー。安全性等については、関連する国際安全基準の要求事項と合致しないいかなる点も確認されなかったことが明記された。

報告書では、技術的事項「規制管理と認可」「放出管理のシステムとプロセスに関する安全性」「ALPS処理水の特性評価」「放射線環境影響評価」「ALPS処理水と環境のモニタリングプログラム」「利害関係者の関与」「職業的な放射線防護」などの技術的事項ごとに、IAEAタスクフォースと経済産業省・東京電力との議論、福島第一原発の視察調査のポイントや、所見の概要を記載。「IAEAは2023年7月4日の包括報告書で示した安全審査の根幹的な結論を再確認することができる」と指摘した。

また、同タスクフォースは「規制インフラは、ALPS処理水の放出を安全に監視するにあたり適切であり、タスクフォースは、原子力規制委員会の継続的な現場での立会いとその活動を直接見ることができた」「タスクフォースは、機器及び設備が実施計画及び関連する国際安全基準に合致した方法で設置され、運用されていることを確認した」「タスクフォースは、東京電力と日本政府から報告されたデータの正確性と信頼性について、包括的で透明性のある客観的検証を行う上で、IAEAの継続的な裏付け活動とオンサイトでの独立したサンプリングと分析が重要であることを指摘した」などの主な確認事項を記載。日本政府は、「引き続き、IAEAレビューを通じて国際的な安全基準に従った対策を講じ続け、安全確保に万全を期していきます」と強調した。次回のレビューミッションは2024年第4四半期に実施が予定されている。

詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2024/07/20240718002/20240718002.htmlを参照。