公正取引委員会は6日、荷主と物流事業者との取引に関する調査結果と、優越的地位の濫用事案の処理状況を公表した。調査結果では、「買いたたき」「代金の減額」「代金の支払い遅延」「不当な給付内容の変更及びやり直し」「不当な経済上の利益の提供要請」「割引困難な手形の交付」「物の購入強制、役務の利用強制」などの具体的事例も提示。同委員会では、調査結果を踏まえ、独占禁止法上の問題につながる恐れがあった573の荷主事業者に対して、具体的な懸念事項を明示した注意喚起文書を送付している。
調査は、荷主と物流事業者に行った書面調査と、不当な取引の恐れがある荷主事業者に対して行った立ち入り調査の結果で、調査期間は荷主向けが2022年9月1日~23年8月31日、物流事業者向けは23年1月1日~23年12月31日。書面調査には荷主1万8172者と、物流事業者2万103者が回答した。
注意喚起を行った573者の荷主の業種別内訳は、製造46.2%、卸売・小売31.1%、その他22.7%。注意喚起文書を送付した573者の荷主の行為は687件(重複含む)で、最も多かったのは、「買いたたき」で34.8%。次いで「代金の減額」20.7%、「代金の支払い遅延」17.0%、「不当な給付内容の変更およびやり直し」15.4%の順で多かった。
2023年度の荷主と物流事業者との取引に関する優越的地位の濫用事案の処理状況については、計17件の注意を実施。注意対象となった行為は33件で、「不当な給付内容の変更及びやり直し」(12件)、「代金の減額」(8件)、「不当な経済上の利益の提供要請」(7件)の順で多い結果となった。
詳細は、https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/jun/240606_buttokuchousakekka.htmlを参照。