中小企業庁はこのほど、5月10日に閣議決定された2024年版中小企業白書(令和5年度中小企業の動向および令和6年度中小企業施策)と小規模企業白書(令和5年度小規模企業の動向および令和6年度小規模企業施策)を公表した。白書の第1部では、能登半島地震の被災地域の状況やコロナ禍の影響と対応の分析に加え、中小企業の現状と直面する課題、今後の展望について分析。第2部では、環境変化を乗り越え、経営資源を確保して生産性の向上につなげていくための取り組みや、成長につながり得る投資行動とそのための資金調達、支援機関の役割と体制の強化の重要性を指摘している。
中小企業・小規模事業者が直面する課題と今後の展望については、売上高が感染症による落ち込みから回復する一方で、「企業の人手不足が深刻化している」と指摘。「今後、就業者数の増加が見込めない中で、日本の国際競争力を維持するためには、中小企業の生産性の引き上げが必要となっており、生産性向上のためには、省力化投資や単価の引き上げを追求する必要がある」と強調した。
環境変化への対応については、「足下では、約9割の中小企業が投資行動に意欲的な経営方針を示している」とした上で、「企業の成長には、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効」と指摘。成長投資のための資金調達や支援機関が果たす役割の重要性を強調し、支援体制の強化も必要との認識を示した。
詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240510002/20240510002.htmlを参照。