各地で日商キャリアアップ応援隊を実施

「商工会議所の検定試験」普及のため、教育機関で関連講義を実施する2023年度日商キャリアアップ応援隊事業について、各地で取り組みが進んでいる。(実施状況後掲※)

養成講習会、団体受験の新規実施

 湘北短期大学(神奈川販売士協会)札幌国際大学(札幌販売士協会)など、各地では従来から、地元の大学や企業での養成講習会等を実施しているが、2023年度は、新たな動きや取り組みが目立つ。
 福岡販売士協会が4 月に応援隊事業を実施した九州産業大学では、10月から新たに3 級養成講習会をスタートした。12月には団体受験も行う。履修160名の既存のマーケティング関連科目を養成講習会とするもので、福岡販売士協会による昨年来の継続的なアプローチが新年度を待たず実を結んだ形だ。
 滋賀県立大津商業高校川崎市立幸高校ではともに、応援隊事業を経て、3 級養成講習会を新たに実施した。大津商業は滋賀県販売士協会が、幸高校は岸本参与が働きかけた。いずれも既存の授業では「販売士」学習は未実施だったが、ビジネスの現場で役立つ知識・経験を生徒に与えたいと、任意の新たな課外講座として実施に至った。

中小企業の生産性向上目指す。商工会が開催

「応援隊」関連以外でも、新たな動きが多い。海販売士協会は2023年8 月~10月、愛知県扶桑町商工会が実施する3 級養成講習会に講師を派遣した。登録講師の石橋聖紀氏(東海販売士協会副理事長)が講師を務め、13名が受講した(写真参照)。
扶桑町商工会、講義する登録講師の石橋聖紀氏(東海販売士協会副理事長

扶桑町商工会、講義する登録講師の石橋聖紀氏(東海販売士協会副理事長)

 東海販売士協会は例年「メッセナゴヤ」に出展。販売士リーフレットも配布している。昨年の開催時に、ブースを訪れた扶桑町商工会から講師紹介の打診があり、新たな3 級養成講習会が誕生した。扶桑町商工会の担当者は「昨今、中小企業においては急激な人手不足により人材の確保が非常に難しくなっている。そのような中、いかに現在、在籍している社員の能力を向上させるかが最重要課題と考え、「販売士」の資格の勉強を通じて中小企業の生産性の向上を図りたいと考えた」と開催を決めた目的を語る。
 盛岡販売士協会では、小原顧問(日販協理事)らの働きかけで2 つの地元専門学校で養成講習会、販売士講座を開設。また駅ビルSC内での団体受験を実施している。
 日本販売士協会でも、東京都ひとり親就業支援事業の受託企業からの依頼を受け、2 級養成講習会をオンライン開催した。
(「販売士」12月号記事「リポート」から転載)

「販売士」12月号内容はこちら

寄付講座講師たちの座談会(12月号記事)

 

 

※日商キャリアアップ応援隊事業の実施状況(2023年11月30日まで)

教育機関 実施・講師
4月 高千穂大学 日本・登録講師13名(~7月)
九州産業大学 福岡・蒲池彰理事(登録講師)
函館商業高校 札幌・神田勲理事(登録講師)
6月 大津商業高校 滋賀県・佐々木武専務理事、長谷川豊博理事
川崎市立幸高校 岸本参与・岸本ゼミ大学生
東海学園大学 東海・後藤靖治理事
9月 長野平青学園 長野・木下浩司氏(登録講師)
10月 福岡工業大学 福岡・山岡彰彦氏(登録講師)
中村学園大学 福岡・齋藤彰氏(登録講師)
福山平成大学 福山・後藤靖治氏(東海)
岩手県立大学 盛岡・小原能和顧問
11月 専修大学商 日本・吉野史紀氏(登録講師)
西南学院大学 福岡・大串雅一理事(登録講師)
三重県立亀山高校 東海・石橋聖紀副理事長(登録講師)
拓殖大学 日本・米林一郎氏(登録講師)