日本販売士協会の岸本徹也参与(日本大学商学部教授)は8月19日、新潟経営大学で開催された日本商業教育学会全国(新潟)大会で、「リテールマーケティング・コンテスト(リテコン)を活用した商業教育モデルの形成について」と題する学会発表を行った。

リテールマーケティング・コンテスト(リテコン)は、長岡商業高校や岡山南高校で実施していた大学生による販売士講座とクイズ大会を組み合わせたもの。2020年から埼玉県内の商業高校を中心に参加者を募り実施している。岸本参与、浦和商業高校の内田校長が日本販売士協会とともにリテコンソーシアムを組織し、取り組みを推進している。

商業高校では、簿記系や情報系の科目履修に比べ、マーケティングやマネジメントなどの履修が少なく、文部科学省が求める「体系的・系統的な商業教育」が出来ていない。そうした中でリテールマーケティングを身近に感じさせ、論理的な思考力・判断力・表現力を育成するリテコンの取り組みが効果的であることを、事例を交えて説明した。

学会に参加した商業高校・大学の教員から多くの関心が寄せられた。来賓・基調講演者として参加した文部科学省初等中等教育局視学官の田中圭氏からも、講演の中で、企業・社会が求める「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)を推進する取り組みとして「リテコン」を高く評価する言及があった。

日本商業教育学会全国(新潟)大会、2023年8月19日、新潟経営大学

岸本参与(写真手前)は、埼玉県立浦和商業高校の内田靖校長(写真左)、日本大学商学部の岸本ゼミ生である岩城ゆり子さん(写真右)、中野里佳穂さん(写真右から2番目)とともに登壇した。