11月20日(日)、神奈川販売士協会の「2022年度 会員発表会」が開催されました。本発表会は相互交流や情報交換など「有益な」コミュニケーションの場として今回が5回目の開催となります。また、今回は3年ぶりのリアル開催となりました。
会員発表会に参加された日本販売士協会広報委員・鴻本久美氏からいただいたレポートを掲載いたします。

神奈川販売士協会 菅原会長

〈飯能市の中心市街地商店街 取り組み事例〉
今回の発表テーマは2つ。まずはじめに、工藤徹郎氏による「商店街活性化の取り組み事例より」の発表がありました。勤務地である埼玉県飯能市を取り上げ、中心市街地の商店街について、取り組みの紹介と様々な角度からの分析という内容となりました。

神奈川販売士協会

飯能市は、都心からおよそ40㎞、池袋駅からは1時間以内にアクセスが可能。市域の約76%を森林が占めるという特徴から、材木「西川材」の産地としても知られている。その環境を観光資源として、エコツーリズムの取り組みが盛ん。集客施設のひとつに「ムーミンバレーパーク」があり、北欧の生活をテーマにした「メッツァビレッジ」とともに来場客数の伸びを見せている。
中心市街地には8つの商店街があり、そのうち、飯能銀座商店街、飯能大通り商店街、飯能中央通り商店街が飯能商店街連盟として共に活動。
「令和3年度埼玉県商店街経営実態調査報告書」の結果を紹介。商店街で買物をする理由や商店街に期待する役割などのアンケートにおいては、消費者と商店街側の意識のギャップが見られた。消費者にとってより魅力的な商店街になるための取り組みとして、「Let’s !」を合言葉にSNSやYouTubeを活用し、様々な情報発信が行われている。

発表後の工藤氏に、無事に終えられた感想をお伺いしました。「先輩方に評価頂くという緊張感の中で発表の準備をして参りました。発表会では、ご参加の皆様が、傾聴の姿勢で多くの問いかけをして下さったため、私も緊張感が解け、安心して発表に臨むことができました。今後も気持ちを新たに、会の発展に貢献していきたいと思います。」とのこと。
工藤氏は営業、企画、人材育成など永年のメーカー勤務のご経歴。また、中小企業診断士資格として小売業診断にも携わられています。ご自宅は鎌倉とのことで、何かと話題の2拠点生活。またそんなお話しもお伺いできればと思います。

〈ソニーでのセールス&マーケティングの事例〉
続いて三浦弘嗣氏より「商品展示と販売・購買促進策の事例」と題して発表がありました。

神奈川販売士協会

総合電機メーカーのソニーでセールス&マーケティングを担当。永年勤務されたご経歴をもとに、3つのコンテンツとその事例をお話しくださいました。

1985年に入社。主なセールス活動として、ビデオテープレコーダや小型ビデオテープ、オーディオ関連ではMDを担当。また、ポータブルCDプレーヤーやデジタルビデオカメラレコーダー、パーソナルコンピューターなど主力商品のセールスに携わる。
まず、「売り場づくり」においては、ノート型パソコンの需要が急加速した市場に対し、液晶ディスプレイ付属パソコンを提案する事例を紹介。ITC教育が導入され始めたころ、自宅学習に潜在ニーズを見出だし、売り場に、パソコンのある子供部屋のような空間を演出。売り場を回遊する顧客の目線を意識した商品展示を行った。
「販売チャネルの拡大」の観点では、データプロジェクターの販売事例を紹介。市場分析から潜在需要を把握し、プロジェクターの活用提案と商品をより知ってもらうための展示演出の重要性を解説。
「ニッチ市場へアプローチ」では、日本に住むブラジル人へのデータプロジェクターの販売事例を紹介。テレビは高くて買えない、帰国時に持ち帰れないなどの真の顧客ニーズを把握したことにより、地域密着型のプロモーションを実践し、大きなビジネスチャンスに繋がった。

セールスの第一線で活躍されたご経験を存分にお話しくださり、ソニーでの豊富なご実績の一端を垣間見せていただいたご講演となりました。

会員発表会の後は、横浜中華街の「慶福楼」に場所を移して懇親会が開催され、和やかな時間を過ごすことができました。
この3年の間もリアルやオンライン、またハイブリッド形式での総会や、販売士講座、新年流通講演会など積極的に活動を継続されていた神奈川販売士協会。今回も参加をさせていただき、見習うべき取り組みや学ぶべき点に気づくことができました。ほんとうに感謝申し上げます。貴協会の益々のご発展を心より祈念いたします。

日本販売士協会広報委員 鴻本久美