当協会登録講師の販売士制度普及振興の取り組み

2021年8月21日(土)~22日(日)に福岡市(オンライン同時配信)で開催された「日本商業教育学会第31回全国大会」2日目の自由論題研究報告において、当協会登録講師の岸本徹也氏(日本大学商学部教授)が「リテールマーケティング・コンテスト(リテコン)の教育効果の可能性」について報告を行った。同大会には、全国から高等学校や大学の教員等が参加した。

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岸本氏は、自身が指導する⼤学のゼミナールの学⽣に商業⾼校で販売⼠講座の講師を担当させる取り組みを約15年⾏っている。この取り組みは、高校生が、⼤学⽣による講義を受けることで観察学習となり、学習意欲の向上などの効果が見られる。一方、大学生にとっても、⾼校⽣に講義をすることが、優れたアクティブラーニングになり、論理⼒や伝達能⼒の向上につながっていることを述べた。
岸本氏は、リテコンが、2021年10月30日開催の「全国産業教育フェア埼⽟⼤会」での実施競技の⼀つで、リテールマーケティング(販売⼠)検定3級レベルの学習内容を、クイズやケーススタディ形式にした問題をチームで解き、得点を競うコンテストであること。また、このような形でリテコンを実施することとなった経緯等について紹介した。

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引き続き、同ゼミナール所属メンバーである商学部3年の岡部紗也加さんと2年の野々村春菜さんから、「リテコンにおける⾼校⽣と⼤学⽣の学習効果」について報告があった。
報告では、リテコンの具体的内容、さらには、リテコンにおいて、高校生が、基礎的な知識・技能の習得、思考⼒・判断⼒・表現⼒等の育成、学びに向かう⼒・⼈間性の涵養という3つの要素を⾝に付けることができる取り組みであること。一方、リテコンの企画・運営を担当する大学生にとっては、問題づくりや資料作りも含めたコンテストの企画・運営を通して、⼤学で⾝につけるべき⼒を習得するができるイベントであることが述べられた。

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続いて、岸本氏とともに、上記リテコンの共同主催者である埼玉県立浦和商業高等学校校長の内田靖氏より、「高等学校商業教育の視点からみたのリテコンの教育効果の可能性」についての報告があった。
内田氏は、体系的・系統的な商業教育を推進するため、特にマーケティングの強化を行いたいという思いが、実施の原動力となったことなど、リテコン実現の背景を述べた。また、リテコン実施の目的について、商業教育を通じて習得した知識・技能を社会・経済生活に生かす実践的な知識・技術(技能)へと昇華させること。あわせて、商業教育の弱点であるマーケティング・マネジメント分野の強化を図り、体系的・系統的な商業教育の推進の一助とすることを重点化したと述べた。