日本販売士協会の協賛している事業の紹介

 「リテールマーケティング・コンテスト埼玉県大会」(2020年11月6日)を振り返って今後の活動につなげていく趣旨で11月20日に意見交換会が行われた。同大会は日本販売士協会が協賛として参画しており、開催報告を兼ね、下記のとおり紹介する。

【概要】
 「リテールマーケティング・コンテスト埼玉県大会」は、同「実行委員会」の主催により、2020年11月6日(金)、オンライン(Zoom)で開催された。なお、一般社団法人日本販売士協会は、協賛団体として参画した。
 同大会は、商業科を設置している高等学校におけるマーケティングに関する知識の習得促進および参加者の交流によるコミュニケーション能力の向上が目的。競技は、リテールマーケティング(販売士)3級検定レベルの問題を解く、チーム対抗クイズとして実施された。

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 当日は、県内の商業科設置校のうち10校から19名の高校生が、相互に別の高校に所属する2名(うち、1チームは3名)でチームを組んで参加した。

 終了から2週間後の11月20日(金)、同実行委員会の代表を務める日本大学商学部教授の岸本徹也氏、ならびに共同代表を務める埼玉県立浦和商業高等学校校長の内田靖氏がオンラインで意見交換を行った。意見交換会には、同校教諭の手島明良氏が同席し、岸本ゼミ所属で同大会の企画・運営を担当した商学部の「販売士隊」メンバー3名(鹿瀨理花子さん、瀧沢歩さん、岡部紗也加さん)、同大会に参加した浦和商業高校の生徒2名も加わった。

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【内田氏から「参加した高校生の感想(アンケート結果)」の報告】
・参加した感想としては、「とても楽しかった」が7割。「まあまあ楽しかった」が3割。その理由(自由記入)について、「楽しい」という意味合いの記載が半数程度あった。大会を通じて、「知識・技能」の習得への意識付けができ、「学びに向かう力」が育まれるきっかけとなったと考える。
・楽しかった理由として「つながり」という意味合いの記載も半数程度あった。深く人と人がつながるには、相手の言っていることをきちんと理解して、自分の言うことをきちんと説明できなければならない。これは、「思考力・判断力・表現力」の育成につながるものだと考える。

【浦和商業高校生徒の感想】
・大会に参加して、マーケティングに興味を持つことができた。テレビなどで、マーケティングに関する話題が出たときに、耳を傾けることができたりできるようになった。
・授業で選択していないため、マーケティングについて詳しく知らない。だからこそ、この大会を通して、自分で勉強して、検定なども取っていけたらいいなと思った。

【「販売士隊」の学生の感想】
・高校生の皆さんが、マーケティング分野やビジネス経済分野に興味を持って、自主的に学んでいきたいと思ってもらえるのが一番いいと思う。マーケティングに興味を持つことができたという感想については非常にうれしい。
・運営側、出題する側として楽しむことができた。マーケティングの分野を通して販売士の知識を学ぶことは意義があると思う。

【実行委員会代表・岸本氏の発言】
・マーケティングは、顧客を見る視点であり、経営全体を見る視点でもある。
・マーケティング教育に携わってきて感じるのは、マーケティングは基本的にはメーカーの取り組みが中心。これでは、大学生にとっても、高校生にとっても、親しみにくい。しかし、今はメーカー主導ではない、小売主導のチャネルとしてPB商品も多い。そういった意味からも、小売りの現場からマーケティング活動をとらえていくという取り組みは、あながち間違いではないと思っている。
・アンケート結果や浦和商業でご指導されている先生のご意見を踏まえ、クイズ大会の形式や難易度などについて、ゼミ生と相談しながら検討したい。
・高校生は、当日参加するだけでなく、準備する段階から関わり、大学生と一緒に話し合い、学び合いながら、作り込んでいくというような進め方ができれば、より望ましいのではないか。

【実行委員会共同代表・内田氏の発言】
・大会の目的は、高等学校の商業教育のうち、「マーケティング分野」と「ビジネス経済分野」の強化であるとも考えている。このイベントを通じ、特に、相手の話を整理して理解し、自分の考えを筋道立ててわかりやすく説明する論理力の養成を図るという目標も掲げたい。
・オンライン会議システムの利用により、新型コロナウイルス感染防止対策も兼ねた「リアル空間(会場)とサイバー空間(ネット)の融合」という「ハイブリッド型教育」の構築の試みであることもアピールできたらと思う。

【今後の予定】
「リテールマーケティング・コンテスト」は、2021年10月30日(土)に開催予定の「第31回全国産業教育フェア埼玉大会」(主催:文部科学省・開催地都道府県教育委員会・産業教育振興中央会・全国産業教育振興会連絡協議会・開催地産業教育振興会)の「商業部会」において「全国大会」を実施する方向で検討、準備が進められている。また、同イベントの実施に向けて、2021年度の第一四半期には、「関東大会」を開催し、引き続き、運営のノウハウの開発などに取り組んでいく予定。

<2021年2月2日現在の情報で作成した記事です>