四日市大学で初の2級講座

パワーポイント”授業の効果大

三重県四日市市にある四日市大学の就職課では、これまで夏休みを利用した様々な資格取得講座を行ってきましたが、今年度から初めて【2級販売士養成講座】を加えました。文系の当大学では流通関係の企業に就職する学生が多く、「販売士」は学生の資格取得ニーズを満たすと判断したのでしょう。

四日市商工会議所と連携し、大学の夏休みの期間を利用して8月から9月にかけ1日3時間、13回の講座を設定しました。3級の復習も行いながら実施するため、初心者も受講可能という呼びかけで23名の受講生が集まりました。

講師は私が引き受けました。昨年、30年間勤めた四日市商工会議所を退職し、同年7月の日本販売士協会の講師養成研修会を経て講師登録をさせていただき、最初の仕事が今回の講座となりました。

2級のテキストは6科目あって膨大であり、3級の復習を含めながらの講義を合計39時間で終了しようとすると時間が足りません。これを補うためにマイクロソフトのプレゼンテーションソフト【パワーポイント】を使いましたが、これが学生には評判が良かったようです。プロジェクターを通して映し出される内容は動きがあり、ビジュアルで育った今の学生の評価を得て、しかもその内容をサブノートとして渡しましたので講義内容を筆記する必要がありません。

また、毎回、過去問題の小テストを行い、本試験への慣れと合格への意欲を高めました。講義の途中では質問が出にくいとの配慮から、電子メールによる自由な問い合わせもできるようにしました。

10月4日に行われた試験は22名が受験した結果13名が合格しました。私自身、人を教えることが初めてであり、しかも、試験の2ヶ月前からスタートするという条件から判断すれば満足の得られるものでした。

今、大学生の間で資格取得ブームが起こっています。少しでも就職を有利に運ぶために様々な資格を取得したいという気持ちが強いのは当然かもしれません。

昨今の経済不況が、勉強嫌いな学生に勉強意欲を掻き立てることになったのは皮肉なものですが、何年か前の売り手市場の中で就職し、自らの努力もなく企業への帰属意識も薄い人達より、今の学生は企業の中に入って大いに活躍するのではと期待しております。

(中小企業診断士・1級販売士 中村 孝迪)
『販売士』2001年1月号