千葉県立一宮商高で販売士講座

第30回2級試験で3年生7名合格

宮商業高等学校

本校は創立77年の歴史をもつ各学年5クラスで商業科(3)、情報処理科(2)からなる男女共学の商業高校です。部活動も盛んで全国レベルに達している部もあり、学校の雰囲気も明るく活発で素直な生徒達が通う、地域に根差した伝統校です。
 
さて、近年、産業経済の発展、変化に伴って職種の多様化、また、生徒のニーズの多様化などが進んでおりますが、こうした変化に柔軟に対応するためにも、また、生涯教育の基礎作りのためにも、商業教育の専門性の深化を図ることが、より重要な時代になってきております。これらの事柄を踏まえて、マーケティング、課題研究の授業等の中で資格取得を一つの目標に置き、単に特定の専門技術レベルを検定するというより、むしろ、流通業界で活躍する、人間性豊かに実務性を備えた人間を育てるため、段位、職能上の総合的能力を検定するという「2級販売士」検定について取り組んできました。
 
本校における販売士の資格取得のプログラムは、3級販売士については6年前の平成9年度から実施していますが、2級販売士検定への取り組みは平成10年度より実施しています。この講座を新たに企画した理由はいくつかあげられます。
  
一つは、最近における流通環境の変化に対応し、消費者がますます多様化、個別化、高級化する等、市場ニーズに的確に迅速に対応するため、より一層の資質の向上を図り、少しでも堅実経営を支えることができる販売士を育て、発展をもたらすことが出来ればと思ったからです。一つは、最近における流通環境の変化に対応し、消費者がますます多様化、個別化、高級化する等、市場ニーズに的確に迅速に対応するため、より一層の資質の向上を図り、少しでも堅実経営を支えることができる販売士を育て、発展をもたらすことが出来ればと思ったからです。
  
二つ目は、本校は、就職先も百貨店、量販店などの小売業や銀行など多いわけですが、あらゆる産業界に広く販売士が普及しはじめているようで、実社会において販売士としての素養を持つ人材が多く求められていることも事実であるということです。
  
三つ目としては、授業を通して生徒達の公的資格取得に対する興味と関心が非常に高く、「2級販売士」を勉強してみたいという強い要望があったことです。そこで、最初の平成10年度は課外講座として、早朝・放課後を利用して3年生の希望者を対象に2級販売士講座を試験的にスタートさせました。
  
平成11年度からは、3年生の課題研究の授業と連動させ、また、課外講座などと併用して実施してきました。
  
この取り組みも、4年目を迎えて「2級販売士」に挑戦したいと申し出る生徒も着実に増えてきており、合格者も前年度を上回るなど、試行錯誤はあったものの、かなり順調に推移しています。
  
初年度に千葉県で初の高校生2級販売士試験合格者が誕生。その後毎年合格者を出し、本年度は14名が受験して7名が合格、5年間の合格者は延べ20名となりました。
  
今後は、販売士の知識を机上の空論として終わらせることのないように、この講座をさらに発展させ、近くの小売店の販売現場におもむいて、顧客とのかかわりを実習するなど、取得した資格を顧客満足と店や会社の発展のためにどう生かしていくかを課題にしたいと思います。残り少ない高校生活の中で、販売士制度の意義を改めて確認できる実践的能力の育成のためにもこうしたことを実習する機会を計画できればと思っています。
  
なお、今回の千葉商工会議所の合格発表の翌日、日本販売士協会の山本事務局長より、「一つの高校から7名の合格者が出たことは、課外授業ということではおそらく過去最高の記録で、大変な快挙である。」とのお誉めの言葉を頂くとともに、学校の方針や指導法について是非寄稿せよとの依頼を受けて以上紹介させて頂きました。

(千葉県立一宮商業高等学校 教諭 亀川 賢治)