販売士1級に挑戦する県立岐阜商高

「目指せスペシャリスト事業」の一環

岐阜商業高校

大学・専門学校顔負けの“販売士1級”に挑戦する県立岐阜商業高校を紹介いたします。昨年、高校側から「あいちビジネス専門学校」(旧:名古屋ビジネス専門学校)に対して出前授業(指導)の要請があり、それを受け、私が微力ながら協力をさせていただいています。

当校は、今年創立100周年を迎える伝統校であり、「商業教育」、「部活動」、「進路達成」の三つの分野で日本一を目指しています。設置学科は、「流通ビジネス科」「情報処理科」「会計システム科」「国際コミュニケーション科」の4科で、販売士・情報処理・簿記・英語などに関する資格取得を推進しています。商業高校ではありますが、進路状況は、国公立・私立の四大を中心に短大・専門への進学者が卒業生の7割近くを占めています。

主な資格取得状況は、本文末尾のとおりですが、普通の「商業高校」ではなく、県下においては「県岐商」と一目置かれる“Super Business High School”であります。

今年、夏の甲子園では、一回戦で惜敗したものの、過去25回出場する高校野球の名門校です。卒業生には、シドニー五輪マラソン金メダリストの高橋尚子、アテネ五輪野球代表の和田一浩(西武ライオンズ)ら各種スポーツ界で活躍する多くの選手がおります。

また、昨年度より3年間、文部科学省より「目指せスペシャリスト事業」に指定され、大学卒業程度の能力を要する高度な資格取得(日商販売士1級、日商簿記1級、経済産業省ソフトウエア開発技術者試験、税理士試験科目「簿記論」、公認会計士 短答式試験など)への挑戦を通じたスペシャリストの育成に取り組んでいます。

その一環として当校流通ビジネス科では、販売士検定1級合格が目標。学習方法としては、年次後期より販売士の勉強を始め、翌年2月に3級を受験、年次の10月に2級を受験。さらに、その合格者(予定者)は1級の科目を絞り学習を開始して、2年次の2月から科目合格を目指しています。

昨年は、1級対策も流通ビジネス科(3クラス)全員の生徒で実施しましたが、初の試みであり、就職・進学・目的等それぞれ生徒の考えにもばらつきがあって、学習に集中力・まとまりに欠ける面もありました。そうした昨年度の反省を踏まえ、今年度は選択制等を設け、効果のあがる学習環境で実施をしており、昨年度以上の実績の出ることを期待しています。

<在学生徒の主な資格取得状況>

(2004年8月現在)
販売士1級:5名(科目合格)、販売士2級:37名、経済産業省ソフトウエア開発技術者:10名、基本情報処理:19名、初級システムアドミニストレータ:19名、日商簿記1級:21名等

(あいちビジネス専門学校教諭・1級販売士 小塚修)