販売士合格率60%超を4年継続

日本一目指す県立福島商業高校

福島県立福島商業高等学校

本校は、創立108年の歴史と伝統をもつ、情報処理科、国際経済科、経営情報科、マネジメント会計科の4つの小学科で構成されている商業高校です。校訓「信義」「全力」「不撓不屈」の精神のもと、これからの経済社会を担う心豊かで信頼されるたくましい人間の育成に努めています。

日本商工会議所販売士検定試験については、2級、3級ともに平成7年度より経営情報科(2クラス)で取り組んでいます。(なお、本校の経営情報科は流通ビジネス科目群を中心に履修しています。)

1年次にビジネス基礎の教科を通して販売士3級(2月試験)合格を目指しています。2年次にマーケティングと流通演習の教科を通して、2級合格を目指しています。検定試験までに、1年次に55時間、2年次に90時間を当てています。私が担当するようになったのは、本校へ赴任した平成15年度からです。生徒達は、「6年連続合格日本一」というプレッシャーの中で取り組んできました。

<具体的な指導方法>

高校生にとって理解しにくい専門用語については、近隣の小売店の実例を紹介しながら販売に関する知識を習得できるよう努めています。また、生徒自身もインターネットでの用語調べや小売業界に係わる最近の動向についても調べ学習を行っています。

私ども指導担当者においても、販売士養成講習会等講師養成研修会を経て日本販売士協会の登録講師になるとともに、最新の流通業の動きを生徒に紹介するなど、授業内容をより具体的なものにするよう心がけております。

検定試験前の放課後に行われる課外授業において、過去問題を繰り返し学習させます。
また、販売士として机上の知識に終わることなく、1年次には外部講師を招いて販売技術の包装について学びます。2年次は、2級試験終了後の11月頃福島市内を中心とした20数社あまりの小売店のご協力のもと、3日間の販売実習を行っています。小売店の業種は様々ですが、販売士検定で学んだことをこうした実践で確認しています。

実習終了後は、実習内容をレポートにまとめ、プレゼンテーションソフトを利用して発表会も行います。

<これまでの実績と今後に向けて>

平成16年度には、2級については82名が受験して81名が合格するという過去にない成果を上げましたが、17年度は、77名受験して54名合格と前年の実績を大きく下回りました(別表参照)。そこで、高校合格日本一は厳しいのではないかと思われましたので、日本販売士協会の山本事務局長に問い合わせしたところ、「日本商工会議所では高校別合格者数の集計はしていないので断定はできませんが、高校生の平均合格率は、これまで20~40%程度なので、貴校の実績は制度始まって以来の快挙でしょう」いうお褒めの言葉を頂きました。

その話を生徒、担当者に伝えると、一同大喜びでした。その後しばらくして同事務局長から、「熱心な高校に問い合わせてみたところ、岐阜商業高校から平成16年度に82名合格していることが判りました(合格率では40.2%)。従ってここ4年間の貴校の合格率(60%超)からみると、量より質の日本一ですね」と再度の連絡が入りました。また過日は、地元新聞(福島民友、福島民報)にこのことが大きく紹介されました。

なお、現在、「課題研究」として、2級合格した生徒の中から希望者を募り、4名を対象に2月の1級販売士試験に向けた講座を開いております。

来年度においても販売士の資格取得を希望している生徒のために、自ら日々研修を怠ることなく日本一合格を継続すべく指導していきたいと考えています。また、2級取得者については、さらに上級資格合格を目指すことはもちろん、この取り組みを通し、社会に貢献できる人材になれるように、継続的に指導していきたいと思います。

最後にこの欄をお借りしまして、これまで販売実習等にご協力いただきました関係各位にお礼申し上げますとともに、同じ志を持つ全国の先生方からのご指導、ご助言を賜りますようお願い申し上げます。

受験者数と合格者数の推移

年度(回) 全国高校 本校
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
11(27) 1,507 253 16.8% 93 41 41
12(28) 1,459 340 23.3% 90 43 47.8%
13(29) 1,395 114 8.2% 91 30 33.0%
14(30) 1,295 314 24.2% 99 62 62.6%
15(31) 1,231 367 29.8% 88 71 80.7%
16(32) 1,286 541 42.1% 82 81 98.8%
17(33) 1,322 293 22.2% 77 54 70.1%