日本出版販売

書店に各種提案へ

―1級資格に的絞る―

日本商工会議所が実施している「小売商(販売士)試験」1級試験に的を絞り、資格取得を奨励している企業がある。東京都千代田区に本社を構える書籍取次業の大手「日本出版販売」(日販)がそれだ。

同社は全国的なネットワークを張り、書籍小売店に対し提案営業を行っているという特色がある。それには、経営者としての視点で書店に各種提案を行っていく必要がある。このため、商品知識などで経営者と同レベルにあることが最低限必要となってくる。

従って日販では、1級合格者に対し受験料などを補助している。

1級取得に向け取り組み始めたのは93年のこと。当初はボランティアのみの試みだった。これを2年後に会社全体への取り組みへと”格上げ”した。

日販では、社員・管理職社員に対し”目標管理システム”を導入している。管理職に対する目標設定の項目の一つは、当然のことながら「部下育成」となる。同項目について、小売商1級資格取得は大きな比重を占めているようだ。

こうした経緯を経て、小売商1級資格に対する取り組みの比重は徐々に高まり、97年には112人もの1級合格者を輩出した。現在までの1級合格者数は216人と驚くほど多い。

同社の営業マンは約800人おり、「将来的には全員が」1級試験合格を目指している」(人事部能力開発課)と意欲を燃やしている。

(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 1998年9月18日)

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