ハピネット

大型店に提案営業

－３級取得義務付け－

日本商工会議所が実施している「小売商（販売士）試験」の３級資格取得を会社員に義務付けているのが、玩具流通最大手のハピネット（東京都台東区）だ。

同社は玩具、育児用品やテレビゲームなどの取扱商品をダイエー、イトーヨーカ堂などの大手スーパーマーケットや百貨店などに卸している。大型小売店の玩具売り場に対する提案営業が主となっていることから、社員全員に対して積極的に小売商資格取得を奨励しているのが特色だ。

従って、３級資格取得者に関しては入社１年目の社員がもっぱら受験することになる。その際、同社では受験料や通信教育のテキスト代に対し全額補助を行っている。

従業員はグループ会社を含めて約４００人。グループ企業も同一の人事政策を行っているので、グループ会社も含めた社員全員が３級資格を持っている。

また、２級以上の資格についても、「チャレンジを義務づけている」（総合企画室）結果、２級合格者も約１５０人の多数に上っている。

同社が小売商３級資格取得を義務づけたのは１９８３年のことで、早い時期に義務づけた。しかし、経営陣が小売商資格に注目し、有志が資格取得に動き出したのはもちろんそれ以前のことだった。

ただ、ハピネットでは、資格取得後のインセンティブについて、特別な社内規定を設けていない。成果を出した従業員に対しては、昇格などの形でインセンティブを与えていくという立場をとっているというのも特徴の一つだ。

今後の方針だが、「小売商試験３級取得の義務化は変わらずに続けていく考え」（同）だ。

（日刊工業新聞社・流通サービス新聞　1998年9月11日）

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