トーカン

3級取得98.3%

―人材の蓄積で好業績―

過去18年以上にわたって販売士資格取得を奨励している企業が名古屋市にある。生鮮食品を除くパッケージ食品の卸を幅広く営んでいる「トーカン」(永津邦彦社長)がそれだ。トーカンは1949年創業で、愛知、岐阜、三重県を販売エリアとしている。従業員は440人で、年商は1200億円。

同社は顧客である小売店に対する理解力を深めることが営業力強化の原点ということから、販売士資格に取り組み始めた。インセンティブとしては、社内の昇格要件に販売士資格を組み入れているほか、受験料は会社負担している。また、通信教育は社内講師を用いるなど至れり尽せりで充実している。

の結果、社内の有資格者は3級が全社員の98.3%とほぼ全員、2級が同じく全体の89%に当たる391人、そして1級が15人と人材は豊富である。

同社人事部では「営業部門での販売力強化はもちろんだが、社員のほとんどが販売士資格を共有することで、社内に共通語が生じた点がメリットとして挙げられる」と語っている。

こうした人材の厚さは、業績にも表れているようだ。国内卸売業の売上高は前年比でマイナス成長を続けているが、同社は「過去3年間、増収増益を続けている」と順調。販売士資格に20年近く取り組んでいる人材の蓄積がトーカンの好業績を支えているといってもいいかもしれない。

(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 1999年10月29日)

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