■わが社の人材育成と販売士への期待-

流通を超える

福山・㈱桑宗社長 豊田 直之

わが社は明治15年に海産物の問屋として、福山の地で創業いたしました。創業以来、「消費者利益とは何か」を問い続け、それが御得意先の繁栄にほかならぬことと信じ、これを頑なに守り続けて来ました。この姿勢は、いまなお受け継いでおります。

ときあたかも第三次流通革命のさなかにあります。私達は商品をただ販売するのではなく、ますます厳しくなる業界において、情報武装をした提案営業力の強化が必須条件であります。それには、人づくり、人材教育が第一であります。

私は元々「起点は消費者である」という考え方をしております。メーカー、卸、小売とたまたま業態こそ違いますが、最終消費者が何を求めているか、どのような提案が最適か等々求めるものは同一であります。

その時当社が契約していましたコンサルタントの先生から販売士制度の話をお聞きしました。平成8年2月より通信教育講座の受講を始め、同年7月に最初の受験をさせました。現在5年目でありますが、グループ会社1社と計2社で3級38名、2級28名、1級3名の合格者を出しております。奨励策としましては、2級合格祝1万円、月額1千円3年間、1級月額3千円を3年間支給しております。

販売士制度はこれからも大いに発展させて戴きたいと思いますが、発展のためには次の2点のことを考える必要があると思います。一つは商工会議所・販売士協会が一体となって全国ベースでの目的を明確にした大々的なPR、もう一つは「小売商のためのうんぬん」という考え方は払拭することが大事だと思います。

「我社の繁栄は得意先の繁栄の反映である」という創業以来の心を心として、社是にある 毎日一歩前進 の姿勢を貫きたいと思っています。

『販売士』2001年9月号