㈱三重興農社

社内に“販売士ブーム”を期待

-仕事を終え2級講座に駆け込む2人の女性-

食品関係の流通業者が業界の活性化と合理化を目的として昭和54年に四日市市河原田町に「北勢食品卸団地(株)」を開設した。その団地の一角に農産種苗、園芸品、農園芸用資材、自然食品を扱う㈱三重興農社が立地している。

同社の創業は昭和22年に溯るが、法人の設立は昭和36年、現社長の谷川幸吉氏は二代目にあたる。ITへの取組みも積極的で「種やネット」「フーズショップcom」のウェブショップも立上げている。

現在、販売士の資格を有するのは総務・経理の責任者である伊藤信行氏(52歳)だけである。伊藤氏は大手家電メーカーの営業担当であったが、5年前に退職し、縁あって三重興農社に勤めた。家電メーカー時代に社内の販売士資格取得講座を受け、苦労の末、販売士2級に合格した。

伊藤氏は当時を振り返り、「十数年前のことだが、今から思い出してもあれほど勉強したことはなかった。勉強は苦しいものですね」と語った。しばらく販売士のことは忘れていたが、突然降って湧いたように販売士を思い出すことが社内に起こった。

営業の第一線で活躍する二人の女性(共に経験豊富な年齢)が今年の10月に実施される販売士2級検定を受験することとなった。受験のきっかけは四日市商工会議所から「級販売士養成講座」の案内が届き、これを見た二人は日頃から商品ディスプレイ、ラッピング、接客など基本から学びたい気持を強く持っていたので自主的に受講したようである。

伊藤氏は「3級をパスしたばかりですぐ2級を受けるのはちょっと無謀ではないか。よほど努力しないと難しいよ」とアドバイスをされた。

二人の女性は日々の仕事を終えてから養成講座へ駆け込むため、6時30分の講座には間に合わず、30分遅れながら最後まで講座を続けた(2カ月間で計16回)。試験の結果が期待されるところである。

谷川社長から「彼女達の、自ら販売士を受験して仕事に生かそうとする積極性には感心します。資格取得後、彼女達の仕事振りがどのように変わってくるか楽しみです。彼女達に続き資格取得にチャレンジする者が増えれば幸いですね」とコメントをいただいた。