お客様(販売)第1の酒造り

―社長が率先して販売士を取得―

会津若松市・花春酒造(株)

販売士の活用を語る坂内営業部長さん(左)と販売士の鹿目さん
販売士の活用を語る坂内営業部長さん(左)と販売士の鹿目さん

花春酒造㈱は、会津若松市の老舗企業で酒造メーカー。モノ作りの専門企業がなぜ販売士制度を導入しているのか、酒造りと販売士制度の接点はどこにあるのかを坂内営業部長に聞いた。

同社の宮森榮介会長は、会津若松商工会議所の会頭職にある。会議所活動の推進の面から導入が勧められ、実際に販売士資格にチャレンジして資格取得した若手男子営業職6名の一人が長男の宮森泰介社長である。まさに率先垂範の典型的な事例にあたる。

「会津のよさは酒のよさ・品質本位“花春”」をモットーに「3つの100%」、即ち会津米100%、自家精米100%、自醸酒100%」を進める同社では、品質に関するお客様の問合わせには社長自らがホームページで回答している。

近年、日本酒の消費量は停滞しており、それを打破するため、戦略的に販売士制度を活用、営業の考え方や取り組み方を「造り酒屋からお客様(販売)を強く意識した酒造り」へ転換すべくすすめている。営業職の意識改革としては、「やらねばならない環境」を作り、若手営業職の資格取得を奨励し、現場で活用できる知識・技術取得を目的としている。

営業現場に出ている3級販売士の鹿目さんは、名所旧跡に出て観光客を相手に試飲会から生の情報、販売店まわりから小売店の情報を収集、また、卸売業とのタイアップ等からお客様の声を集めている。こうした情報は、品質はもちろんお客様の求める価格や容量・包装等としてフィードバックされ、それらの内容が新製品として「お客様に受け入れられている事が自身の励みになっている」と語る。

会社概要

本社 福島県会津若松市
創業 享保3年(1718年)
資本金 2,500万円
売上高 14億円
従業員数 74人

(福島・経営コンサルタント 伊藤修二)