”和の雑貨店”オープンへ

-チャレンジ精神の基礎に「販売士」-

三重県松阪市・(有)野呂佛英堂

有限会社野呂佛英堂は、三重県の松阪市駅から徒歩2分、中町職人通りに立地する仏壇・仏具の専門店である。
同社の周辺には、松阪城を建てた武将蒲生氏郷(がもううじさと)の菩提寺・浄土宗清光寺、聖武天皇の勅願寺で日本最初の厄除け観音の霊場として有名な岡寺山継松寺などがあり、お店の存在は往来する参拝客の目に自然と映る。

販売士の資格取得者は同店の代表者、野呂英史氏(47歳)。資格試験にチャレンジした動機は、販売士制度に熱心な松阪商工会議所職員との出会いであった。松阪商工会議所は、販売士1級を有する職員がかねてから「販売士養成講座」の講師を担当し、制度の普及に意欲的に取り組んできた。野呂社長はその講師と海外視察旅行で一緒になり、その旅行中、彼から販売士制度に関する熱い思いを聞かされた。ご自身も店の経営について体系的に勉強するよい機会であったので、この3級養成講座を受講した。

平成11年7月に3級に合格。引き続き3カ月後の平成11年10月、2級に合格した。2級は独学でわずか3カ月の短期間の勉強で合格できたことは見事である。日頃の経営を通じて得た実践の知識と㈱カリアック発行の「販売士検定試験ハンドブック」を忠実に精読したことが合格のポイントとのこと。
資格取得の効果は、商店経営を体系的に勉強できたこと、仏壇という特殊な商品を扱うため、商品知識の必要性と顧客志向の重要性を再確認したことだという。

また、野呂社長は最近、新たな店舗を立ち上げた。景気の低迷が続くとどうしても守り中心の経営に走りがちであることへの自らの挑戦と位置づけている。仏壇店の向かいにできた空き店舗を借用して、「和」の空間をコンセプトにした日本文化の良さを再認識させる和の雑貨店「雅風」がそれである。灯りと香りを中心に癒しを感じさせ、ストレスの多い現代社会を少しでも解消できればとの願いからの発想。
商店街が空き店舗で寂れていく時代に、新しい店を創造することは地域の活性化や街づくりにも貢献することになると考えている。
最後に、「販売士の勉強は経営全般の知識習得に役立つことはもちろんだが、このようなチャレンジ精神を発揮することにも役立っているのではないか」とコメントをもらった。

「雅風」のアドレス http://www.gahoo.jp/

会社概要

本社所在地 三重県松阪市
従業員数 6人
資本金 300万円
創業 明治39年

(三重県亀山市・中小企業診断士 中村孝迪)