マルヤス

3級取得が義務 ―新入社員、昇格に便宜も―

日本商工会議所が実施している「小売商(販売士)試験」の3級取得を新入社員に義務づけているのが、スーパーマーケット・チェーンの「マルヤス」(大阪府高槻市)だ。

同社は高槻市を中心に大阪北部地域に15店舗を展開している。取扱商品の中心は食品で、食品関係が売上高の約95%程度を占めている。年商は149億円(98年2月期実績)。

マルヤスで小売商試験に取り組み始めたのは約17年前と早い。現社長である安東和彦氏が社長に就任して2年後のこと。今では3級資格については、新入社員に取得を義務づけているなど、社員の能力向上に気を配っている。

社内の昇格試験では、チーフ、主任クラスへの昇格の際に3級資格者は筆記試験が免除されている。また、店長クラスへの昇格試験では、2級資格者に対し同じく筆記試験が免除されている。さらに部長への昇格試験では、1級資格者に対し同じく筆記試験を免除。

マルヤスの社員は147人。一方、これまでの延べ合格者数は3級が51人で、2級は同じく8人、さらに1級は1人だ。全社員中の有資格者は約4割となっており、人材の豊富さが同社の特色である。

販売士資格を重視した結果、同社の店舗拡大路線をより容易にしているといっていいだろう。このため業績も拡大基調にある。99年2月期は前年度比4.3%増の売上高を予定している。

(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 1998年11月13日)