級に応じて手当を支給
―50コースの通信教育を社員に奨励―
堺市・コーナン商事(株)
大阪市内南津守店
コーナン商事㈱は昭和53年の創業以来、DIYのホームセンターとして発展、現在は関西圏(大阪府内58店)を中心に、三重県・愛知県などに合計126店補を展開(14年2月現在)、売上高は平成9年2月期の671億円から14年2月期には1,790億円へと躍進している。同社の各店補の取扱商品は約8万点に達しているが、これはアマチュアからプロまでの多様なニーズに対応し、暮らし全般をカバーするために必要な品目であるという。
同社の取締役執行役員で人事総務グループマネージャーの西田準氏は次のように語る。
「8万点にものぼる商品を販売するため、専門的な知識を持つ社員によるアドバイスや、DIY情報の充実、接客態度の高度化など『モノ+情報』の提供を実現する体制の確立が大切です。そのため販売士をはじめ社員研修には力を入れております」
ホームセンターは、単に商品を売るだけで成り立つ店舗ではないという。お客様からのさまざまな質問に答えられる商品知識をはじめ、新しい生活の提案や、暮らしの工夫を伝える能力を持つことにより、多くの消費者の信頼を獲得することが大切である。
そこで同社では、階層別の社員研修には特に力を入れている。(社)日本DIY協会認定資格のDIYアドバイザーをはじめ、入社後の新入社員研修、半年後研修、一般職・チーフ・主任の階層別、店長研修などキメ細かい研修を実施している。しかし、店舗が多くて集合教育が無理なため、こうした研修とは別に、約50コースの通信教育を社員に薦めている。その柱となっているのが接客販売、仕入れ、店舗管理、計数管理に直結する『販売士』である。
販売士の通信教育終了者と検定試験合格者に対しては、一定の助成金を支給している。現在、パートを含め全社員は5,200人(正社員1,800人)であるが、3級販売士は700人。2級販売士は252人、1級販売士は2人。
同社では主任クラスから課長代理クラスまでは、少なくとも3級販売士の資格取得が望ましいとしている。その販売士資格を業績に反映してほしいという狙いを込めて、3級1千円、2級3千円、1級5千円の資格手当(月額)を支給している。
会社概要
本社所在地 | 大阪府堺市 |
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従業員数 | 5,200人 |
売上高 | 1,795億円 |
資本金 | 61億5,100万円 |
(大阪産業大学非常勤講師 小峰一翁)