イタヤマメディコ

取得を義務付け ―社員の間にヤル気―

日本商工会議所が実施している「小売商(販売士)試験」の3級資格取得を全社員に対して義務づけているというユニークな方針をとっている企業がある。
甲府市に本社を構えるドラッグストア・チェーンの「イタヤマメディコ」がそれだ。

同社はドラッグストアをローカル・チェーン展開している関係から、以前から地域生活者の健康相談にこたえることを重視してきた。そのため、接客能力を養成することを目的に、薬の専門知識に加え、言葉の使い方やあいさつなどに関しても適宜、職場内訓練を実施してきた。
しかし、企業規模の拡大に伴い、従業員全員に必要とされる基本的知識や接客技術の取り組みなどを訓練するのは、時間的な制約から困難さを増してきた。

この結果、5年前に職場外教育として、小売商販売士資格制度を導入するに至った。それと同時に、社員全員の小売商販売士資格3級の取得を義務づけた。また、資格取得社員の給与を増額することで、社員の資格取得インセンティブを強化した。
さらに店長希望者には、小売商販売士の2級取得も義務づけるに至っている。管理責任者になるための”登竜門”として2級資格を位置づけている。

同社の特色は、トップダウン方式による小売商販売士資格へのチャレンジといってよいだろう。すなわち、社長や管理者クラスが率先して小売販売士資格を取得したことが同社の制度を可能にしたといってもいいだろう。

(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 1998年7月17日)