最上の接客で日本一への挑戦

─社員が自主的に接客向上委員会─

甲府市・ (株)イタヤマメディコ

青空にひときわ目立つイタヤマメディコのサインボード(甲府市桜井店)
青空にひときわ目立つイタヤマメディコのサインボード(甲府市桜井店)

創業は昭和元年。昭和63年に現社長がドラッグチェーン「イタヤマメディコ」を設立。営業品目は医薬、化粧品、健康食品、衛生材料等々。山梨県内に15店舗を展開する地域密着型の若い急成長企業である。「今、ドラッグ業界は単なる安売りと出店拡大だけで成長できる時代は終わった。今後は、その中身が厳しく問われる」(月泉博著『流通業界』より)という時代。
そうした中、イタヤマメディコは“最上の接客で日本一への挑戦”のスローガンを掲げ、“接客”を何よりも重視してきた。その象徴的なものが“屋外での朝礼”である。お客様は雨の日も風の日も来てくださる。同じ立場でお迎えせねば…との理念のもと、各店舗は毎朝開店15分前から“経営理念”や“平日の接客ポイント”等を社員全員で唱和している。また、「お客様は体の悪い方も多く来店されている」として、心のケアや細かい接客を心掛けている。

さらに、お金と物の交換でなく、お客様をお招きして、納得していただいて、喜んで帰ってもらうことが接客の原点だと考え、今では、社員が「お客様を大切にしましょう」と自主的に接客向上委員会を立ち上げ、月1回討論会を行っている。
そして、“最上の接客”には、人材の確保・育成が欠かせないとして、資格・販売士制度を取り入れた。
資格取得の目的や効果について、望月賢雄運営部部長は「資格を取ると、スタッフの言葉の使い方、自分の服装や陳列の仕方が以前とは違ってくる」、また、「現場で覚えることは体で覚えることだ。それだけでは仕事に深みが出てこない。だから、資格は必要だが強制ではなく、自主的に学ぶことが大事」と。さらに「販売士の勉強をしておくと理論と実践がかみ合って仕事に対する意欲が沸いてきたり喜びを感じるようになる」とも語っている。
同社では、責任者は3級が、店長は2級が絶対必要で資格取得が昇進の前提になっている。現在、従業員の50%が2級・3級の資格を取得している。

最後に、部長は「会社が描いている<日本一の接客>の基準にはまだまだ到達していない」と言われた。イタヤマメディコの挑戦が続く限り業績の向上は間違いないと確信した。

会社概要

本社所在地 山梨県甲府市桜井町643-1
代表者 板山和正
従業員数 110名
売上高 39億円
資本金 5,000万円