今治デパート

昇格の必要条件に ―売り上げ増に貢献―

幹部社員登用に日本商工会議所が実施している「小売商(販売士)試験」の2級試験を活用し、前年比プラスの売上高を上げている企業が愛媛県にある。今治市に本社を置く「今治デパート」がそれだ。

同社は1972年に創業したデパート、スーパー、そして飲食店などを展開している量販店。ダイエーのフランチャイズからスタートした。店舗数は30店舗余りで、従業員は630人。売上高は98年8月期で約300億円。

今治デパートが販売士試験資格取得に取り組み始めたのは約10年前。それまで、社内で作成した試験を用いて昇格試験を行っていたが、業態が多様化した結果、客観性を保つことが必要になり、小売商試験2級を昇格のための必要条件とすることにした。

現在、2級の有資格者は約50人いる。通信教育費や受験料の補助はしない代わりに、小売商2級の有資格者に対しては資格手当として月額10,000円を支給している。「社員としても昇格の条件になることや、給与やボーナスの点でプラスとなることから、真剣に試験に取り組んでいる」と同社人事部では語っている。

今治市は同業者の新店舗展開などで競争が激化しているが、その中で同社としても社員の真剣な取り組みや新店舗展開などで、業績を前年比でプラスに持ってきている。「客観性のある小売商試験は役に立っており、今後とも継続して昇格要件として用いていく」としている。

(日刊工業新聞社・流通サービス新聞 1999年2月5日)
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