富山県技術専門学院

職業訓練として販売士３級の講習を実施

富山県技術専門学院は、県立の職業能力開発校として求職者向けに、２カ月から１年間の職業訓練を実施している。

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今回、同学院の次長・企画管理課長の若林和芳氏、企画管理課企画調整班副主幹の保田由佳子氏を訪問した。保田氏には、ＯＡ事務科の販売事務コースでの取り組みを中心にお話を伺った。

【職業訓練・ＯＡ事務科の訓練目標】
本学院では、求職者を対象に、２カ月から１年間の職業訓練を行い、職業人としての職業能力の開発および向上を図ります。これにより、産業社会の変化に適応できる創造性のある技術者の養成に努め、あわせて、社会人としての人間形成を目指します。
今回ご説明するＯＡ事務科では、簿記会計を含む一般的な事務処理やＯＡ機器操作等に必要な知識・技能を習得し、販売管理ができる人材を養成します。

【ＯＡ事務科での職業訓練】
ＯＡ事務科では４カ月間の職業訓練を実施しています。
本県では、昔から共働きが多く、仕事と育児の両立のため、土日休の多い事務職への転職を求める方が多いという状況です。一方、求人についてですが、第３次産業の求人が増えています。なかでも、販売業務に限らず、販売店の事務、営業事務などの販売に関連する事務職の求人が多く、求職者の就職活動の幅を広げるため、販売事務コースが開設されました。

【販売士資格の活用】
リテールマーケティング（販売士）検定試験ですが、販売職はもちろん、事務職との関連性が深く、資格を取得すれば就職先の幅が広がり、体系的に修得した基礎知識は、就職後の業務の理解を助けると思います。特に、マーケティング戦略、経営管理、販売計画等については、幅広い業種の企業で必要な知識であると考えます。
業種としては、特に、サービス業、卸売業、小売業の理解に役立つと考えます。また、どの職種においてもお客様の立場に立って職務にあたることは共通です。
受講者・資格取得者からは、「経営者の立場で物事を見られるようになった」、「販売職を７年経験したが、知らないことがたくさんあり、ためになった」など、受講してよかったという感想をお聞きしています。
修了後については、ほとんどが一般事務、営業事務、経理事務等の業務に就いています。中には、「配偶者の開業に伴って事務を担当する」、「経理事務の担当だがマーケティング関連の知識が参考になっている」などのご意見もいただいています。

【今後に向けた課題】
　販売職に興味がある人は多いですが、土日も働いていたり、夜間の勤務があったり、子育てなどの家庭生活との両立は困難であるのが実態です。したがって、企業において、シフト勤務、完全土日休などワークライフバランスの実現が可能となる環境が整えば、もっと販売職を志望する人が増え、就職先の幅は広がると思います。
　現在は４カ月間の訓練となっていますが、将来、訓練機関の長いコースの設置が実現できれば、販売士２級、観光、英会話なども取り入れ、より応用力の高い人材の育成が可能となるのではないかと思います。

【担当の講師】
　リテールマーケティング（販売士）３級検定試験の講習（56時間）については吉田誠氏、販売実習（20時間）については市井啓子先生（Ｉ．Ｓ．Ｋ有限会社代表取締役）がご担当で、お二方とも熱心にご指導いただいています。

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リテールマーケティング（販売士）３級検定試験の講習を担当する、当協会登録講師の吉田誠氏（株式会社よしだまこと事務所代表取締役社長）よりメッセージをいただいた。

【吉田誠氏からのメッセージ】
販売士資格取得はもちろんですが、販売の仕事の楽しさも知っていただきたいと思い、現場で活躍中の販売士にゲストで講義に来てもらっています。また、ＡＩの発達により将来仕事が消滅するかもといった話題も取り上げています。楽しみながら視野を広げてもらえればと考えています。職業や就職の相談を受けることもあり、大変嬉しく思っています。
求職中は仕事では得られないことを得る機会とも言えます。資格取得は必須ですが、一緒に学ぶ仲間や先生との出会いもあります。販売の仕事は人との関わりを学ぶことでもあります。販売士の勉強が、知識と人脈を豊かにする機会になればと願っています。

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