商品開発に向けて販売とマーケティングの基礎知識を学習

校舎

岐阜県立東濃実業高等学校は、1921年の設立で、98年の歴史を誇る。
同校は、「勤労・責任・進取・創意」の校訓のもと、「あいさつ、授業・資格取得、部活動、身だしなみ、環境美化」の5項目を実践項目に掲げ、教育に取り組んでいる。
同校では、1年生で各科目の基礎・基本を重点に学習して進路適性を見つけ、それを踏まえて2・3年生で学ぶ「類型」を選択するというカリキュラムが組まれている。(例えば、今回のレポートで取りあげるビジネス管理科において、生徒は、2・3年生の段階で「事務管理」、「起業創造」、「簿記会計」の3つの「類型」のいずれかに進むこととなる。)

正門

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今回は、同校教諭の森俊樹氏を訪問し、ビジネス管理科「起業創造類型」での取り組みについてお話を聞いた。

森俊樹教諭

当校では、ビジネス管理科「起業創造類型」の2年生が、毎年2月にリテールマーケティング(販売士)3級検定試験を受験しています。

授業風景1

【学習の意義】
販売士3級では、販売業の基礎を学ぶことができます。買い物など、生活の中で触れ合うような事項が学習内容に多く含まれており、進路が販売業でない生徒にとっても学習は有益です。さらに、店舗で、なぜそのような陳列をしているかということを考えることによって、知識は豊かなものになります。
また、売り手を一人の人間として理解して接することも、コミュニケーションのスキル向上につながると思います。生徒には、学習や体験を通じて広い視野で物事をみることを身に付けられるよう指導しています。
ビジネス管理科の「起業創造類型」では、3年生の授業で商品開発に取り組みます。2年生の段階で、販売士3級を学び、基礎知識を習得すると、3年の商品開発にも役に立ちます。

あゆっころ

【株式会社 鵜舞屋(うまいや)との共同企画商品「あゆっころ」】

【商品開発の取り組み】
3年生に進級すると、生徒は、自分たちで、商品の共同開発に協力していただける企業や店を探すための検討を開始し、例年、5月頃から依頼や交渉に入ります。2018年度は、2019年2月1日に学習成果発表会が予定されており、生徒はそれに向けて商品開発に取り組んでいます。取り組みの中で、協力先の仕事のやり方を学ぶことにより、学習した知識が現実のものとなって定着します。協力先から、知識を褒められて、喜んで帰ってくる生徒もおり、取り組みへのモチベーションが向上します。

桃実ゼリー

【佐合(さごう)食品工業株式会社との共同企画商品「桃実(とうじつ)ゼリー」】

2018年12月から販売士3級の学習の知識定着のために、商品のキャンペーン企画に関して検討するワークショップを行いました。本日の授業では、グループごとに発表を行います。(教室での写真は授業の際に撮影したもの。)

授業風景2

2018年度の学習成果発表会のテーマは「STEP」で、高校生活3年間の成果を集大成として披露する場となります。全校で10の類型がありますが、いずれも工夫を凝らした発表や展示を準備しています。残念ながら一般公開はしませんが、多くの来賓や保護者の皆さんをお迎えし、見ていただきたいと思っています。

学校概要等

学校名 岐阜県立東濃実業高等学校
所在地 〒505-0125 岐阜県可児郡御嵩町伏見891
創立 1921年(大正10年)
設置学科 ビジネス管理科、ビジネス情報科、生活文化科
在籍生徒数 2018年度 698名

リテールマーケテイング(販売士)検定試験合格者数

2級 2017年度1名
3級 2018年度 20名、2017年度19名、2016年度18名、2015年度14名、2014年度18名、2013年度22名