マーケティングの知識を活かした発想で取引先に売り方を提案

千葉県酒類販売株式会社 外観

千葉県酒類販売㈱は、会社創立以来、60年余にわたり、酒類・食品の総合商社として、地域に根ざした営業活動を展開している。現在は、千葉県下および茨城県、東京都東部、埼玉県南部を営業基盤とし、酒類・食品で約2万アイテムの商品を取り扱っている。
同社の社員教育におけるリテールマーケティング(販売士)検定試験の活用状況について、代表取締役社長の飯沼喜規氏にお話を伺った。

販売士資格を活用した社員教育

第1に、当社には、教育・研修をいとわない風土がある。会社というものは、人が財産、最後は人だ、という思いがある。
第2に、卸は中間流通であり流通を俯瞰して考えることが必要な時代。昔はメーカーの意向を伝えていくことが、小売りにも求められた時代もあったが、今は、消費者目線でマーケティングを考えていく時代である。販売士有資格者の知識を活かした、売場での提案が、営業職だけでなく、全社員に求められている。
第3に、自分たちがみずから学んでいく姿勢が必要だ。販売士だけでなく、専門的な(例えば清酒やワインの研修や資格取得など)学習も、自主的に取り組まなければならない。今までのような集合教育だけでは世の中から取り残されてしまう。

学習や資格取得に対する支援等

当社では、教育機関が提供する通信教育講座のラインナップを自社向けにカスタマイズし、講座受講も任意でなく、必修としている。販売士資格に関しては、3級を「新入社員向け推奨講座」、2級を「営業部門推奨講座」としている。

講座受講の際、販売士資格講座は会社が受講修了時に受講費用の全額を支給している。検定試験の受験料について、1回目は会社負担としている(不合格となった場合、2回目以降の受験料は自己負担)。
販売士資格について、2003年頃から営業職に受験させていたが、2006年の社長就任以降は、女子社員や物流部門などの社員にも受験を奨励している。
現在、営業職はリテールマーケティング(販売士)検定2級の取得を義務付けている。社内で対策講座を実施しており、日本販売士協会登録講師である当社のマネージャーが講師を務め、合格率向上に貢献している。また、就職内定者には、入社前に販売士3級の通信教育の受講を奨励しており、配属後直近の7月に受験、合格するケースも多い。

<平成27・28年度広報委員 松橋 功>

会社概要等

会社名 千葉県酒類販売株式会社
本社所在地 〒260-8586 千葉県千葉市中央区要町5番7号
代表者 代表取締役社長 飯沼 喜規
従業員数 114名(2015年7月現在)
売上高 255.6億円(2014年度)
資本金 2千万円
設立 1953年12月
事業内容 県内外得意先4000店のサポート役としての全酒類、輸入洋酒、清涼飲料水、食品の卸売、 航空機搭載用免税酒類及び輸出用免税酒類の卸売

販売士有資格者数 2015年9月現在

1級3名、2級36名、3級42名