実社会で役に立つ知識を習得するため販売士3級の学習内容を活用

校舎

奈良県立奈良情報商業高等学校は、2005年度(平成17年度)、同県県立高等学校の再編統合計画に基づき、県立桜井商業高等学校(1963年開校)と県立志貴高等学校(1983年開校)が統合されて開校した。

正門

同校には、「商業に関する学科」および「情報に関する学科(総合情報科)」が設置されている。
「商業に関する学科」において、1年次では「商業科」として生徒全員が商業の基礎科目(簿記、ビジネス基礎、情報処理)を学習し、2年次以降、生徒は、各自の興味・関心、また進路希望に応じて「会計ビジネス科」、「流通ビジネス科」、「情報ビジネス科」のいずれかの学科に分かれて学習する。
同校では、教育目標の一つである、「『生徒・保護者のニーズ』に、最も近い学校」を実現するため、簿記や情報処理などの検定資格の取得にも積極的に取り組んでいる。

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同校教諭の田中秀幸氏を訪問し、流通ビジネス科での取り組みに関してお話をお聞きした。

授業風景1

【田中秀幸氏へのインタビュー】

流通ビジネス科の3年生を対象に、1学期の「広告と販売促進」の科目で、販売士3級の学習内容を取り入れて授業を展開しました。
学習内容に関しては、教科書とのつながりも、相当程度あると感じています。私自身も、過去に販売士3級、さらに2級と合格し、その後も、5年毎の資格更新を行っています。
生徒の中には、小売業や販売職への就職希望者もおり、販売士3級の知識は、実社会で役立つと確信しています。
授業に関しては、学習内容を定期試験でも出題しますので、生徒は頑張って取り組んでいます。
検定試験については、希望者のみが受験しています。今年度、7月のリテールマーケティング(販売士)検定3級を3名の生徒が受験し、2名が合格しました。この2名は、公益財団法人全国商業高等学校協会主催の商業経済検定試験の2科目(「ビジネス基礎」および「マーケティング」)に合格しており、「マーケティング」科目の受験免除を受けています。
私は、今年度(2018年度)、本校に着任しましたので、取り組みは1年目です。来年度も、生徒に関心を持ってもらえるような工夫を行いながら、授業に取り組んでいきたいと考えています。今後も、学習内容に興味を持ち、検定試験の受験にも取り組んでいく生徒があれば、夢の実現に向けて応援していきたいと思います。

授業風景2

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2018年7月の検定試験に合格した同校流通ビジネス科3年生の片岡紗弥さんと大森莉子さんにインタビューさせていただいた。

【生徒へのインタビュー】
片岡紗弥さん:
陳列方法の項目は、カタカナの用語が多く、用語の数も多くて暗記が大変でした。卒業後、大学に進学しますが、勉強してきた知識を活かして学習に取り組みたいと思います。

大森莉子さん:
陳列方法によって違う効果が得られることが面白く、興味を持てました。計算問題も面白いと思いました。大学進学後、販売士2級以上のレベルに挑戦したいと思います。

学校概要等

学校名 奈良県立奈良情報商業高等学校
所在地 〒633-0051 奈良県桜井市河西770番地
創立 2005年(県立桜井商業高校の創立は1962年)
設置学科 商業科(1年)、会計ビジネス科・流通ビジネス科・情報ビジネス科(2年~3年)、総合情報科(1年~3年)
在籍生徒数 2018年度 644名