資格取得支援プログラムと販売士講座への期待

阪南大学

「実学教育」、「個々人への手厚いサポート」を強みに

2015年に創立50周年を迎えた阪南大学は、「国際コミュニケーション」、「国際観光」、「経済」、「流通」、「経営情報」の5学部で構成される。「実学教育」が強みとなっており、学部ゼミでは地域や企業に出ていくPBL(課題解決型学習)を積極的に導入している点が特徴である。
阪南大学のキャリア支援は学部ごとに担当者を配置し、学生個々人への手厚い指導を行っている点が特徴であり、何十回も面接練習に来る学生も多いという。そのような取り組みもあり、関西主要私立大学の中でも、理系学部を持つ大学と並んで「就職に強い大学」にランクインしている(就職率90.3%)。

スタッフ常駐の資格講座カウンター

阪南大学のキャリア支援のもう一つの特徴は、図書館横に設けられた「資格講座カウンター(公務員相談カウンター)」である。様々な資格取得や公務員試験に関する具体的な相談窓口となっている。
キャリア支援課では1年次から進路相談には対応しているものの、やはり就職を意識する3年次からがメインの相談となる。その点、資格講座カウンターのキャリア支援上の効果は大きい。1年次から「どんな資格を取ったらいいでしょうか?」と漠然とした相談が資格講座カウンターに来るからだ。
図書館の入口横にあって、カウンターの相談スタッフも優しく対応してくれるため、学生たちも日々色々な相談に来るという(資格相談から悩み相談に発展することも多いとか)。

資格講座カウンター

実学教育に特化した大学だからこその資格取得支援

また阪南大学では、学部の学びに応じた資格講座のラインナップも特徴であり、目指す業界別に有効な資格を推奨している(例:販売士であれば流通・小売業界)。そのため、ゼミの教員からも資格取得を薦められる事例が多い。
また、資格取得プログラムについては、入試の段階から「女子学生特別入試」、「一般入試(前期3教科型)」で合格した学生に対し資格講座の受講料が無料になるほか、資格取得者には難易度に応じて「学長奨励賞」として報奨金を授与するなど、学生の資格取得のモチベーションが高まるような工夫がなされている。
これらの取り組みは、オープンキャンパスでも資格と連動して保護者に伝えられており、就職率の高さのバックにある「実学教育」と「資格取得」が学生募集上の強みになっていることがうかがえる。
 

販売士への期待

阪南大学では販売士については3級・2級講座が毎年開催されている。合格者も毎年出ており、大変好評である。手厚い資格講座が多数行われている中で、販売士資格への期待を、学生部キャリア支援課の全隼太氏、滝谷妃史氏に伺った。

「特に本学の流通学部には『ブランド・マーケティングコース』があり、接客やアパレルのアルバイトをしている学生が多く、講義ではアパレルショップの店舗設計やブランド開発の工夫などを学び、同業界に就職する学生も多いです。販売士の学習は商品レイアウトなど、アルバイトの現場に活かせるのが魅力です。販売士の資格は、学びを経験値として還元することができ、現場で実体験できる資格です。就職活動の際に熱意をアピールできる資格であると考えます。学生が漠然と資格が取りたいときには、簿記や販売士を薦めています。」

取材を終えて

実学教育に特化した阪南大学は、実践的で魅力的なプログラムが多い。販売士がそのような豊かな実践と並行して学ばれることに大きな意義が感じられる。

<2017・2018年度広報委員 高見啓一>

学校概要等

学校名 阪南大学
所在地 〒580-8502 大阪府松原市天美東5丁目4番33号
設立 1965年4月
設置学部 国際コミュニケーション学部、国際観光学部、経済学部、流通学部、経営情報学部
在籍生徒数 4,992人(2018年5月1日現在)

リテールマーケテイング(販売士)検定試験合格者数

2017年度 2級4名、3級8名