販売員や管理職の育成に販売士資格を活用

ヤマザワ

株式会社ヤマザワは1962年に設立され、2017年8月現在、67店舗(山形県内43店舗、宮城県内24店舗)を展開する食品スーパーマーケットを核とする小売業です。従業員向けにリテールマーケティング(販売士)検定試験を積極的に奨励しています。同社の人事教育部採用・能力開発マネジャーの明石悦子氏(販売士2級)より、販売士資格の活用に関して話を伺いました。

検定試験の活用

商工会議所の検定試験として検定試験が始まった1973年(昭和48年)より、当社として、従業員に積極的に資格取得を勧めています。
当初は、社内の昇格試験(初級・中級)の受験の際に、販売士資格を持っている者には50点の特別加算がありました。
現在も登用試験の受験資格として活用しており、担当職中級については販売士3級を、監督職中級については販売士2級を、マネジメント職上級については販売士1級を、各々受験資格要件の一つとしています。
 *マネジメント職上級の他の受験資格には、他に社会保険労務士、宅地建物取引士、中小企業診断士等もある。
特に最近では、店舗の店長・副店長・チーフ職には、販売士2級の取得を積極的に勧めています。 

資格取得の意義

特に昨今は、同業同士の競合も激しくなってきていますが、それに加えてコンビニ、ドラックストア、中食の弁当や惣菜の宅配業、ネット業者等のとの競争も厳しさを増してきており、他業種の動きからも目を離せません。小売業のマクロの動向を知り、お客様が喜んでお買い物をしていただくために、さらには、われわれ小売業として何をなすべきかを常に考えながら仕事に励むためにも、販売士資格の取得は必要だと認識しており、従業員に対する会社からの支援も充実させながら、取得を勧めています。
特に、日々変化する小売業界での資格ですので、5年毎の資格更新講習会にも必ず受講するよう勧めています。

会社としての支援

年に一度、「通信教育講座ガイドブック」を作成し、各店舗・各部署の従業員、パート・アルバイトを対象に配布しています。なお、2017年10月開講号には59コースを紹介、通信教育の修了認定者にはコースによって受講料の70%、50%、30%を補助しており、販売士1級・2級・3級は50%の補助です。因みに、推奨コースの1番目は販売士2級となっています。受験の際は、従業員自身に申し込みをしてもらいますが、会社は、販売士各級の検定試験の申し込みについて案内し、あわせて、受験要項や過去問題を提供しています。
毎年、2級合格者を中心に、10名以上の従業員から合格の連絡をもらい、有資格者として社内データーベースに登録しています。

通信教育講座ガイドブック

【通信教育講座ガイドブック】

今後の課題

現在の資格所有者は、1級3名、2級90名、3級28名。3級の人数が少ないですが、3級に合格した後、すぐに2級に挑戦する者が多いためと、学生時代に取得したものの、更新手続きを見送ってしまう者が多いためのようです。
資格取得を推奨すると同時に、資格更新をいかに社内全体に周知していくかも課題です。

<取材:平成29・30年度広報委員 外山正芳>


会社概要等

会社名 株式会社ヤマザワ
本社所在地 〒990-8585 山形県山形市あこや町3丁目8番9号
代表者 代表取締役会長 山澤 進
従業員数 正社員855名、1日8時間換算によるパート・アルバイト2,722名、合計3,577名(2017年2月現在)
売上高 1,141億円(連結 2017年2月期)
資本金 23億8,817万円
創業 1952年
設立 1962年10月
事業内容 食品スーパーマーケットを核とする小売業

販売士資格取得者数 2017年8月現在

1級3名、2級90名、3級28名