「お客様、ひとすじ」の想いで販売士資格を活用

ふくや店舗

株式会社ふくやは、1948年(昭和23年)に食料品店として創業し、日本で初めて明太子の製造・販売を行った企業である。
同社は、「おいしさ、ひとすじ」、「味づくりの心、ひとすじ」、「人の想い、ひとすじ」、「お客様、ひとすじ」、「博多、ひとすじ」の理念のもと、明太子などの食料品製造販売等の事業を展開している。
同社は、お客様満足の向上、品質・安全性管理、環境対策等に積極的に取り組んでいる企業として、2003年度には、経済産業省の「消費者志向優良企業賞」(消費者志向体制が整備されているなど極めて優良な企業が対象)を受賞している。
同社の支援部人事課長の山中崇彦氏から、販売士資格の活用等についてお話を聞いた。

山中氏

販売士資格の活用と意義

当社では、社員の自己啓発の観点から、リテールマーケテイング(販売士)検定試験(1~3級)等の社外資格の取得を支援している。
販売士資格に関しては、1980年前後(昭和50年代)から、接客・販売業務に関する社員教育の目的で活用している。
販売士は、販売のプロの資格であり、学習により販売に関する知識や技能を身に付けることができる。一方、店舗だけではなく、例えば、生産部門に勤務する社員であっても、お客様のための商品を製造していることから、当然「お客様目線」は必要である。当社は、「お客様、ひとすじ」等の理念のもと、全部署、全社員を対象に、販売士3級の取得を義務付けている。また、責任者・リーダークラスの社員には、販売士2級の取得を推奨している。

研修制度における販売士資格の位置づけ

当社では、「どこでも通用する人材を育てたい」という想いから、各種の研修を実施している。
研修のひとつとして、半年間の「新入社員研修」が設けられており、新入社員は、生産、物流、店舗、通販、飲食、卸売等の各部門での勤務を体験する。同研修の日程には、毎年7月の第2土曜日に実施されている「販売士3級」検定試験が組み込まれており、新入社員は出勤扱いで受験し、合格すれば受験料が補助される。
また、入社後4年目および8年目の社員を対象に、見聞を広め、住民との交流等により異文化を学ぶ目的で、海外研修が実施されており、販売士3級の取得が同研修への参加資格となっている。

海外研修_ベトナム

正社員登用における販売士資格の活用

当社では、2016年6月、契約、パート、アルバイト社員を対象とする正社員登用制度を導入した。同制度において、「販売士3級を取得済みであること」を社内選考試験の受験資格としている。

会社概要等

会社名 株式会社ふくや
本社所在地 〒810-8629 福岡県福岡市博多区中洲2-6-10
代表者 代表取締役社長 川原 正孝
従業員数 609名(2016年10月現在)
売上高 149億円(2015年度)
資本金 3,000万円
創業 1948年10月
主な事業内容 味の明太子の製造・販売、各種食料品の卸・小売

販売士合格者数(現在籍者)2016年10月現在(正社員272名)

1級3名、2級105名、3級243名