チャレンジ精神で、さらなるリテールマーケティング検定試験活用に期待!!

株式会社カノー 外観

株式会社カノーは、大阪府下を中心に、食品を中心としたスーパーマーケット「食品館アプロ」および「フレッシュ」計47店舗を運営している。創業は1953年で、菓子小売として開業。その後、1979年にスーパーマーケット業態としての1号店を出店。店舗数や売上高、また従業員数など、ここ数年の伸びから、その成長ぶりが伺える企業である。

人材育成への取り組み

同社は、地域生活者の健康で豊かな食生活に貢献し続けることを掲げ、新鮮さとおいしさを重視する経営をポリシーとしている。そして、その提供を担う従業員が、買っていただく方、食べてくださる方の笑顔を想像しながら仕事を進めることができるような、ひとりひとりのモチベーションという観点が、人材育成には貫かれている。

その教育制度としては、新入社員、管理者、経営幹部にいたる各レベルに応じて、マネジメント、専門技術、目的別(衛生管理、コンプライアンス等)スキルを修得する緻密な制度が組み立てられている。また各自が取り組む通信教育講座にもプログラムの充実が図られている。

同社は食品スーパー業態であり、業務に直結する内容となると、主としてスーパーマーケット向けの検定試験になる。しかしながら、今回お会いした、専務取締役で教育関連全般を統括されている三原慶一氏より、「経営幹部や管理職には流通全体の知識が不可欠であり、将来的に、課長クラスの社員には、販売士2級取得を目指してほしいと考えている」旨伺った。
また、入社試験に合格した学生に対して、入社までの期間に学んでおくべき内容として挙げているのがリテールマーケティング(販売士)3級とのこと。小売・流通に携わる人材の第一歩として、基本的な知識や技術が体系的に学べる資格として推奨されている。

食品館アプロ デリカコーナーの様子

自主的な学びが生まれる企業風土

さらに同社の人材育成において、特筆すべき点としてあげられるのが、“自主的な学びの場”が形成されていることである。通常の各店舗でのOJTの実施や、教育制度は前述のとおりであるが、それに加えて、自主的な参加による勉強会が実施されている。農産物、海産物、惣菜など各部門の年長者の指導により、蓄積された豊富な知識や技術、その経験などを学び、全社的に共有する取り組みである。情報が満載された先輩社員手作りのテキストを用いて行われ、参加者は各店舗から自主的に集まるとのこと。「たつみ店」の店長を務める松村泰制氏は、「勉強会はとても役に立っており、他店との交流の場にもなっている」と話す。

自らの持つ業務に役立つ知識やスキルを、同僚や部下に伝えて行きたいという思いと、もっと多くのことを学んでみたいという思いが重なる、この循環と共有の自主的な取り組みこそが、人が育つ環境と豊かな企業風土を培っているといえる。新しいことにチャレンジできる環境を備え、人材育成を重視する経営方針こそが同社の魅力であり、今後のさらなる成長の土台であることは確かである。

<平成27・28年度広報委員 鴻本久美>

会社概要等

会社名 株式会社カノー
本社所在地 〒538-0035 大阪府大阪市鶴見区浜5-6-29
代表者 代表取締役社長 嘉納 利文
従業員数 社員750名、パート・アルバイト3,000名(2015年11月現在)
グループ売上高 550億円(2014年度)
資本金 1,000万円、自己資本金:1億円
創業 1953年
設立 1967年
事業内容 食品を中心としたスーパーマーケットのチェーン

販売士有資格者数

1級1名、2級3名、3級82名 
※ただし、2009~2014年度の新入社員のうち、有資格者の合計。それ以外の有資格者数は未確認。