「就職の富士短大」から「東京富士大学」へ発展
東京富士大学は、東京都新宿区高田馬場駅から徒歩3分に位置する。前身である富士短期大学は、経済学・経営学系の数少ない短期大学として、「就職の富士短」と評され、職業会計人をはじめとした多数の卒業生が、さまざまなフィールドで活躍している。
2002年、東京富士大学経営学部を開設、富士短期大学を東京富士大学短期大学部に変更、2008年には、大学院経営学研究科を開設し発展してきている。
創設者の教育方針は、「教育とは学生に生命をあたえてゆくことである」とし、創立以来70年以上、今日まで教育の指針となっている。
「実務IQ」宣言
今日、実務知識や資格獲得だけでは乗り切れない時代とも言え、多様な社会体験、そして社会人としての教養を含めた総合的な知のあり方を志向する必要があり、それを本学では「実務IQ」と呼んでいる。
本学が提唱する実務IQとは、知能指数のことではない。ビジネスで必要とされる能力をできるだけ具体的に身につけさせるため、実務で必要とされる能力を細かく細分化して、教育に反映させている、それが実務IQなのである。従って実務IQのIは、Intelligenceではなく、Integrity(統合、調和)を意味する。実務IQにおけるIQは、「Integrity Quotient」であり、”実務能力をバランスよく統合”した人材の育成を目指している。
資格取得対策「集中」科目
本学において、資格対策の一つは、提携専門学校の指定の講座(例えば簿記検定)を受講(通学)すると大学から補助金が支給される(例えば簿記3級は全額補助)制度である。
もう一つの特徴は、販売士検定、簿記検定、ビジネス実務法務検定については、正課(通常)の授業として、それぞれの検定試験期日に合わせて集中的に行われていることである。
筆者の長年の大学における販売士検定対策の課題は、販売士検定日(3級は7月上旬および2月中旬)に対し、大学の2学期(前期試験は7月下旬、後期試験は1月下旬)で区切られる授業(前期15回・後期15回)では時間不足ということであった。この点、本学においては、販売士検定3級対応科目として(本学における科目名は「販売技術」)年度初めに通常の科目と同様に履修登録し、授業は、前・後期に分けることなく、2月実施の検定受験に合わせて開講されている。
そして、授業は資格取得対策と同時に、それぞれの集中講義期間内の試験によって、通常の科目と同様に単位認定(2単位)されるのである。
「自己開発」認定科目
本学独自の科目として、自己開発認定科目がある。これは、学生の自立心を養成し、キャリア形成を支援するための一環として、資格取得、ボランティアなど、学外で習得してきた一定の学習成果に対して、申請に基づき、厳正な審査を行い、単位を認定している。
資格取得においては、販売士検定はじめ、簿記検定、ビジネス実務法務検定、カラーコーディネータ(課外講座開講)など、毎年20種類ほどの資格試験合格者に対して単位認定されている。
販売士検定合格のためには、独学や通信教育の方法もあり、「販売技術」を履修しなくても合格者は、申請することにより単位認定されるが、本学における正課科目「販売技術」を履修し合格すれば2単位取得、さらに販売士検定3級合格者には1単位(2級以上は2単位)が付与される。
専任教授による正課の「販売士養成講習会」
本学の販売士教育の最大の特徴は、一般社団法人日本販売士協会登録講師(講師歴30年)である専任教授による授業である。そして、当科目(「販売技術」)は、正課(単位認定)であるとともに、商工会議所の「販売士養成講習会」として認定されたものである。当講習会は、他大学で見られるようなエクステンション(課外)ではなく、学生は、通常の授業と同様に受講(履修)することができ、受講料の負担はない。
販売士養成講習会は、出席率80%以上で、講習会内における「予備試験」に合格すれば、検定試験において「販売・経営管理」科目が免除されるという特典がある。
販売士検定の内容は、本学経営学部の専門科目と密接に関連しており、学生は、これらの科目と同時に学習でき、専任教授にいつでも質問できる環境にある。
本学における現状は、販売士3級対応であり、今後、2級対応を検討中である。
<東京富士大学経営学部教授(日本販売士協会登録講師) 日野 隆生>
学校概要等
学校名 | 学校法人東京富士大学 |
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所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-8-1 |
設立 | 1943年 |
設置学部・学科 | 経営学部 経営学科・経営心理学科・イベントプロデュース学科 |
在籍学生数 | 683名(2016年5月1日現在) |