販売士資格をキャリアアッププランに位置づけて活用

マイヤ外観

株式会社マイヤは、1961年、㈱主婦の店大船渡店として創業、1979年に現在の社名に商号変更した。同社は、「会社の発展と個人の幸せの一致を実現」「進歩向上によって、地域社会の豊かな生活文化に貢献」「信頼され誇りの持てる企業文化を確立」の3項目を経営理念として、岩手県を地盤としてスーパーマーケットを運営している。
同社は、2011年3月11日の東日本大震災で6店舗が被災したものの、迅速かつ的確な避難誘導が功を奏して当日勤務していた者からは一人も犠牲者を出すことなく、被災のなかった店舗では営業を継続するなど、震災直後から被災地の“食のライフライン”を支えた。同年8月以降、順次、新店舗オープンと既存店舗のリニューアルを進め、「“食”を通じて地域に貢献する会社」をモットーに、15店舗を展開している(2016年8月現在)。
2014年10月、同社は、㈱おーばんHD(山形県天童市)、㈱キクチ(福島県相馬市)、㈱マエダ(青森県むつ市)の3社と経営統合し、㈱マークスホールディングス傘下の完全子会社に移行した。
 同社管理本部人事グループ長の新沼聖氏より、同社の教育システムおよび販売士資格の位置づけ等について伺った。

マイヤ店舗

教育システム(キャリアアッププラン)

企業間の格差は、教育間の格差であり、職場環境の格差でもあると認識している。当社では、職場環境における「人材育成格差」が企業の命運を決定すると考え、能力向上に積極的に取り組むための環境整備に努めている。
社員一人ひとりが、環境の変化に柔軟に対応することができ、豊かな想像力により自己の能力を職務の中で発揮でき、会社の発展に寄与しながら自己実現を目指すことができることを理念として人材育成に取り組んでいる。
キャリアアッププランは、社員を「育成→活用→評価→処遇」のサイクルの中で体系的・計画的に人材育成するシステムである。社員教育は自己啓発制度を基本とし、会社として知識の習得と学習の機会として、さまざまな研修を提供する。OJTとOff-JTは自己啓発を補完する研修と位置づけている。

マイヤ研修

販売士資格の位置づけ

教育体系においては、キャリアアッププランとして、等級別に社内・社外の各種研修が盛り込まれ、昇格のための要件として、販売士(3級~1級)を含む各種の資格が位置づけられている。
販売士3級は主として一般職層の昇級の際、2級は指導監督・専門職(シニア)層の昇級の際、1級はシニア層が管理統括・高度専門職(マネジメント)層へ昇級の際、それぞれ実施される昇格試験の受験免除要件となっている。

マイヤ売場

学習と資格取得の意義・会社の支援等

リテールマーケティング(販売士)検定試験については、キャリアの各段階において必要な知識・技能が体系的に学べるものとして評価している。修得した知識・技能は、社員にとって、昇進して後輩や部下を指導する立場となった際、さらに、幹部に昇進して経営に参画するにあたっての土台となる。当社では、副社長をはじめ3名が販売士1級の有資格者である。
修得した知識等は、何よりもまず、現場で活かすことが大事である。学習し、現場での体験・経験により理解が深まり、納得することにより知識・技能が身に付く。
社員は主として、会社指定の通信教育(受講料は会社負担)を受講して学習する。
社員表彰制度があり、販売士2級に合格すると「金賞」、販売士1級に合格すると「ダイヤモンド賞」が授与され、あわせて報奨金が支給される。

会社概要等

会社名 株式会社マイヤ
本社所在地 〒022-0003 岩手県大船渡市盛町字木町14-5
代表者 代表取締役社長 米谷 春夫
従業員数 1,050名(パート・アルバイト含む、2016年3月現在)
年商 222億円(2016年3月期)
資本金 5,000万円
設立 1961年9月
事業内容 スーパーマーケットの運営

販売士累計合格者数2016年8月現在

1級3名、2級33名、3級138名