岐阜県立岐阜商業高等学校流通ビジネス科の取り組み

岐阜県立岐阜商業高等学校の外観

学校の概要

岐阜県立岐阜商業高等学校は、1904年(明治37年)の旧岐阜市立岐阜商業学校開校に始まる歴史を経て、2016年度で112年目を迎えた。
同校は、「不撓不屈」の校訓のもと、「資格・部活・進路」を三本柱とする教育に取り組んでいる。商業の各分野における基礎的・基本的な技術を習得させ、ビジネスの意義や役割について理解させるとともに、ビジネスの諸活動を主体的、合理的、かつ倫理的に学習・体験することにより、経済社会の発展を図る創造的な能力と態度の育成を目指す。
同校には、流通ビジネス科、情報処理科、会計システム科、国際コミュニケーション科の4学科が設置されている。同校のSPHプロジェクトを含め、流通ビジネス科の取り組みを紹介する。   

SPHの取り組み

同校は、2014年度(平成26年度)、文部科学省より「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」(SPH)の指定を受けて取り組みを行っており、2016年度が最終年度である。
(注)「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」(SPH)は、専門高校において、大学・研究機関・企業等との連携の強化等により、社会の変化や産業の動向等に対応した、高度な知識・技能を身に付け、社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成することを目的としている。
同校の実施するSPHプロジェクトは、会社設立・経営をとおして実践力・総合力・企業家精神を身に付け、グローバルに活躍するビジネスリーダーを育成するプログラムである。2014年度からの3年間で、商品開発、アプリ開発、海外ネット販売、海外の高校との連携など幅広い取り組みを行いながら、「Be the CEO」=「生徒全員が社長になろう」を合言葉に、事業実施の母体となる株式会社を設立して経営も体験する。

第2年度の2016年2月、全校生徒が株主となり、商品開発と販売などを業務とする「株式会社GIFUSHO」を設立した。同校卒業生やPTA役員が取締役に就任する一方、経営は学校に委託する。3年間のSPH指定期間満了後の2017年度以降も、在校生が同社を経営し、さまざまな体験・学習が可能となる仕組みが構築された。
流通ビジネス科においては、3年生の「課題研究」において、2社の企業の協力による商品開発と販売実習に取り組んでいる。
「CoCo壱番屋」での実習において、第1年度(2014年度)は「金華山カレー」、第2年度(2015年度)は「揚げ出し豆腐あんかけカレー」を商品化し、販売した。また、「田中屋せんべい総本家」での実習では、第1年度は「晴陽(はれひ)」と「ひまわりせんべい」、第2年度は「はじけるせんべい“ベリグラ”」(ベリーとグラノーラを使用)を商品化し、販売した。
最終年度となる2016年度においても、2社の協力のもと、下半期に取り組む商品化と販売に向けて、検討が行われている。

スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)の授業風景
  

流通ビジネス科での学習の取り組み

流通ビジネス科では、ビジネスの専門知識として、マーケティングについて学習する。学習の中で、具体的に、売れる商品の情報収集や陳列方法、価格の決め方、販売戦略などを学び、3年間で消費者ニーズを的確にとらえる力を養う。あわせて、パソコンを活用したプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力の向上を図ることにより、アイデアや企画について発表できる力を養成し、実社会で即戦力として活躍できる人材を育成する。
流通ビジネス科では、1年生の科目「マーケティング」、2年生の科目「マーケティング」と「広告と販売促進」で学習した知識の習得度、達成度を確認する趣旨で、2年生でリテールマーケティング(販売士)検定試験2級を受験する。
担当の教員は、生徒が学習・修得した内容が、実際に商品開発と販売実習に生かされ、知識として定着させることができることを実感しており、SPHの取り組みについて、極めて効果的であると評価している。

学校概要等

学校名 岐阜県立岐阜商業高等学校
所在地 〒502-0931 岐阜市則武新屋敷1816-6
設立 1904年(明治37年)4月
設置学科 流通ビジネス科、情報処理科、会計システム科、国際コミュニケーション科
在籍生徒数 2016年度1,193名

リテールマーケテイング(販売士)検定試験合格者数

2015年度 2級88名
2014年度 2級68名
2013年度 2級23名
2012年度 2級34名
2011年度 2級26名