~科目「ビジネス実務」&「商品開発」でビジコンと販売士に挑戦~

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【商品開発で実績】
北海道札幌東商業高校(以下「札幌東商業」)では3年次科目「課題研究」と部活動「マーケティング部」を中心に、地元企業などと連携したオリジナル商品の開発に取り組んでおり、伊藤忠食品「商業高校フードグランプリ」などにも挑戦している。中でも大手小売業者と連携して開発したコロッケは、1日1万個近く売れる人気商品となっている。

「前任校の時代から商品開発に取り組んできました。最近は企業さんから『商品開発をしてほしい』と、いろいろな話が舞い込むようになりました。(秋本直人教諭)」

【科目「ビジネス実務」&「商品開発」で販売士を活用】
この開発のベースとなる知識は、流通経済科2年次必修科目の「ビジネス実務(ビジネスコミュニケーションを学ぶ科目)」と「商品開発」で培っている。
生徒たちはこれらの科目を通し、生徒間でアイデアを詰めていくワークショップの手法(KJ法など)を学び、大学などが主催する各種のビジネスコンテスト(ビジコン)にも挑戦している。そして、ビジコンでの反省点を踏まえながら、3学期にはリテールマーケティング(販売士)検定3級にも挑戦している。

「たとえばビジコンへ応募する際に『ターゲット』を書く欄があるのですが、生徒たちは『10代女子』とざっくり書く傾向があり、ターゲッティングが不十分だったりします。こういうところで販売士の知識はダイレクトに使っていけます。『実務とつながっているんだ』と感じてほしいですね。(秋本教諭)」

【販売士検定は魅力的!】
「札幌東商業に行けばリテールマーケティング検定が取れる」という情報は、地元の中学生にも知られているという。秋本教諭に販売士検定の魅力について伺った。

「商業高校では全商(全国商業高校協会)主催の検定にも取り組みますが、実務の世界ではあまり知られていません。その点、販売士の認知度は魅力的です。就職先にも名前が通じる検定ですし、流通経済科の授業とも合致していて実用的です。(秋本教諭)」

【合格率の向上と上位級への挑戦】
札幌東商業では、学生ベンチャー企業による出前講座なども活用しながら、令和4年3月に団体受験したネット試験で、多数の合格者(62名中43名合格)を出すことに成功した。手ごたえと今後の課題について伺った。

「あとから数か所でもいいので『販売士を勉強しておいてよかった』と、生徒たちが実感してくれたら嬉しいです。コロナ禍で外の企業などとの接点がなかなか持てていないので、そのあたりの改善も図りながら、次年度は『全員合格』や『2級合格』も目指したいです。(秋本教諭)」

インタビュー:髙見啓一

学校概要等

学校名 北海道札幌東商業高等学校
所在地 〒004-0053札幌市厚別区厚別中央3条5丁目6番10号
創立 昭和39年4月
設置学科 流通経済科、国際経済科、会計ビジネス科、情報処理科
在籍生徒数 (2022年4月8日現在)866人

検定試験合格者数

2021年度 43名

記事掲載:2022年12月21日