マーケティングコース全員で3級受験

校舎

【販売士への挑戦は静岡の商業科の伝統】
静岡県立静岡商業高等学校では、商業科マーケティングコースの生徒全員が、販売士3級を受験しており、商業科目「マーケティング」と「広告と販売促進」の計6単位の授業で教えているという。
 静岡では、駿河総合高校(旧:静岡市立商業)や焼津水産高校でも販売士が教えられるなど、販売士を導入している高校が多く、販売士を保有している教諭も多い。まさに販売士への挑戦は「静岡の伝統」と言えよう。静岡商業高校でも3人の先生が販売士を保有しており、販売士を生徒に教えている花崎雅世先生と青木伸介先生にインタビューさせていただいた。

【販売士の授業は「動き」があって部活生にもピッタリ】
 販売士協会登録講師でもある花崎先生は、大学時代に経営管理論を学んでおり、ドラッカーを勉強していたという。「販売・流通のからくり」が学べる販売士は、生徒にも好評だという。

「いまの子たちは新聞はもちろん、テレビも見ないので、いつも行っているはずのコンビニすらあまりイメージが沸かないようです。コンビニの写真やJASマーク、バーコードなどを実際に見せたりしています。特にマーケティングコースは運動部の生徒が多いので、包装をさせたり、お辞儀を練習させたり、ペットボトルを並べてみたりとか・・・生徒が寝ないように『動く授業』を意識しています。」(花崎雅世教諭)

【実社会の経験にチャレンジ】
 静岡商業高校では、生徒自ら交渉して店舗でのインターンシップを行う「販売実習」や、地元企業と連携してわさびを使った商品等を開発した「商品開発」といった授業にも取り組んでいる。静岡の地元企業に愛される静岡商業として、実社会とのつながりや経験を販売士や流通の学習に活かしている。

「生徒たちの『考える力』を養いたいです。自分たちで社会のことを考えられるように。そして交渉する力を身に付けることが重要です。販売実習があるので、言葉遣いや物の渡し方。マナー講習もします。懐に入る力といいますか、商業科の生徒には『ファシリテート力』を身につけさせたいですね。」(青木伸介教諭)

【これからの課題】
 最後に、販売士学習に関しての課題を花崎先生に、商業高校のこれからについて金親徳行校長に伺った。

「受験者は多いのですが、合格者ももっと出していきたいですね。生徒たちにとって受験料は決して安くはないので、取らせていきたいです。もしも販売士がネット試験化されたら、繰り返し合格するまで挑戦させていきたいと思っています。あとはせっかく取った資格なので、更新を忘れないようにしてほしいです。」(花崎雅世教諭)

「静岡の専門高校は商業科だけでなく、水産科、農業科、工業科、それぞれで素晴らしい取り組みをしています。これからは専門分野の異なる高校同士でつながって、汎用性の高い商業科の強みを生かしていけるといいですね。」(金親徳行校長)

<2021・2022年度広報委員 高見啓一>

学校概要

総合学科、生活文化科

学校名 静岡県立静岡商業高等学校
所在地 〒420-0068 静岡市葵区田町7丁目90番地
設立 1899年4月17日(静岡市立駿府商業学校と静岡県立静岡第二商業学校が統合)
設置学科 商業科、情報処理科
在籍生徒数 839名(2020年4月1日現在)

リテールマーケテイング(販売士)検定試験合格者数

2019年度 3級11名
2018年度 3級22名
2017年度 3級19名