摂南大学 販売士講座と資格サポートセンターの取り組み

摂南大学中庭写真

「きめの細かい」学生指導

2015年度に創立40周年を迎えた摂南大学は、7学部13学科体制で在学生8,000人超の中規模総合大学。文系学部では1学部定員を250人程度で少人数教育を重視しており、入学直後から卒業まで一貫して10人程度のゼミを開講している点が特長である。そのため学生と教職員の距離が近く、「きめの細かい」指導をできることが大学のセールスポイントの一つとなっている。   

販売士講座と資格サポートセンター

リテールマーケティング(販売士)検定対策を含む資格講座は、夕方や土曜日に課外講座として開講している。このうち販売士講座については、熱心な経営学部教員からの発案で2013年度に実現したという。2、3級のみならず、1級対策講座まで開講している点は全国的にも稀な例である。
資格講座は、学生の往来の多い場所に設置された「資格サポートセンター」が主管しており、5年前から資格対策の専門事業者である「㈱ワークアカデミー」への外部委託で運営している。他大学のような事務室カウンターのみとしての設置ではなく、相談や勉強もできる個室となっており、明るい女性スタッフが親身になって学生の相談に対応している。センターの存在を知らない学生は皆無と思われる。

資格サポートセンターに相談に来る学生の様子

教員・職員・資格サポートセンターが密に協力

資格講座について、大学の取り組みは非常にきめが細かい。
まず、資格サポートセンターでは教員の意見を取り入れながら、毎年実施する講座の検討・見直しを行っている。そのため教員の理解も深く、経営学部では1年から開講されている全てのゼミや履修ガイダンスで、資格講座についてもれなく広報・案内されるという。
さらに販売士1、2級合格者に対しては「単位認定」も実施していることから、教員の薦めで、1年時に、まずは腕試し的に3級から受講する学生も多いようだ。

加えて、例えば経営学部では公的資格取得推進のための受験支援も行っており、検定1~3級いずれも試験の受験料を補助し、3級については資格講座の受講料も補助している(例:3級の場合、受験料4,120円のうち2,000円を補助、資格講座受講料25,000円のうち10,000円を補助)。
まさに、教員・職員・資格サポートセンターの三者の密な連携を取っている先進事例といえよう。
  

「初めての公的資格」にもってこい

資格サポートセンターでは、キャリアカウンセリングを行う際に、どの資格にチャレンジするか決まっていない学生には販売士3級を薦めているという。GMS(日用品を扱う総合スーパー)の現場に精通した講師や中小企業診断士といったプロ講師による実践的な講義は、興味を持って学ぶことができるからだ。一般教養としても面白い内容というだけではなく、経営学部では講義の内容ともリンクするため、普段の学習が資格取得の手助けにもなっている。
さらに受講スタート後も資格サポートセンターの職員は、休みがちな学生に密に連絡を取ったり、勉強の場所として部屋を開放したりといったきめ細かいサポートを行っており、学生の学習態度や意欲の向上につながっている。

このような協力があることから、摂南大学では2年以降も資格に挑戦し続ける風土ができており、科目履修の際に資格講座の日程を事前にチェックする学生も多いという。そのため、2年、3年と進級する過程で、1級まで挑戦する学生も多い。2015年度には全国で1級に合格した大学生41人うち、14人の合格者を輩出している。

取材を終えて

この取材の間にも、資格サポートセンターにはひっきりなしに学生が訪ねていた。「頼りになるお姉さん」が教員・職員と共に学生をしっかりと見守っている。きめ細かい指導を学風とする摂南大学らしい、印象的な空間であった。

<平成27・28年度広報委員 高見啓一>

学校概要等

学校名 学校法人常翔学園 摂南大学
所在地 〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8
設立 1975年4月
設置学科 法学部、外国語学部、経済学部、経営学部、理工学部、薬学部、看護学部
在籍生徒数 8,083名(2016年5月1日現在)

リテールマーケテイング(販売士)検定試験合格者数

2015年度 1級14名 2級27名 3級62名