トヨタ自動車九州・宮田工場を見学
<福岡販売士協会副会長 石原義曠>
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福岡販売士協会(栗川久明会長)の平成18年度から新たに年度事業のひとつに加え、年2回春と秋に実施することになった「流通施設等見学会」の今年度第4回・秋季見学会は、10月4日(木)の午後、20名の会員の参加を得て開催し、宮若市にあるトヨタ自動車九州(株)の宮田工場を見学してきました。
これまでの3回は、「イオン福岡伊都ショッピングセンター」 (H18. 6. 3(土))、「鳥栖プレミアム・アウトレット」(H18. 10. 7(土))、「ランテック福岡支店の流通センター及び冷凍倉庫」並びに「トリアス久山のコストコホールセール」 (H19. 6. 2(土))で、全て流通関連施設を見てきましたが、今回は初めて物づくりの製造現場を訪れ車の生産がどのように行われているかを約一時間半に亘り見学しました。
以下、当日の概況を一会員として参加した感想を含めて、ご紹介いたします。
<当日の概況と感想>
10月といえば、季節はまぎれもなく秋である筈なのに、当日は何と30℃近い真夏並みの暑さのなかでの「秋季見学会」となってしまいましたが、工場に一歩足を踏み入れた瞬間、それまでの暑さなどはすっかり忘れて、目の前に次々と展開する人とロボットが融合した車づくりの生産技術の素晴らしさと生産性の高そうな作業に終始心を奪われながら、完成車に至るまでの生産工程を案内して貰いました。
今回最初に案内をうけたのは、この宮田工場で生産されているレクサスやハリアーなどの実車を展示しているゾーンでしたが、ここでは約15分ほど各自が自由に展示車や内部構造がわかるモデルなどを見たり操作したりしてから、これらの「車が出来るまで」の紹介を実際に工程を流れる車に乗って作業が行われているような視点からの映像を見せて貰い、高品質の車づくりにこだわる同社の取り組みについて説明を頂きました。
うかがった話によると、宮田工場の生産能力は年産43万台(1日当たり1,700台)とのことでしたが、現状は繁忙で早朝6時から深夜の1時頃までを2交代制で対応し、1日当たり1,950台(55秒に1台)の生産を続けているとのことでした。
私たちが見て回った日も組立ラインでは、塗装済みのいろんなタイプの車が淀みなく流れており、約2,800点とも言われる部品を組み付ける作業が忙しそうに行われていましたが、そこには独創的なリフト付ムービングフロアーが採用されていたり、現場作業者の提案でフロアー下からの照明が取り付けられていたり、スタッフの創意工夫で作られたというヒトが無理のない姿勢で部品取り付けができる「らくらくシート」なるものを採用するなどして、見るからにクリーンで働き易そうな作業環境が整えられていたのには感心しました。
更に私たちの目に入ってきたのは、全長100m程の組立ラインが何本か設うけられた中で、各ラインに7〜8人づつの人員が配置されていてそれぞれの工程作業が行われていたのですが、例えばフロントガラスをはめ込む作業では、人とロボットが両端を持ち合いロボットが人の動きに合わせて共同作業をしている姿を見せられた時には、微笑ましいと言うか何ともいえない衝撃のようなものを感じました。
また、シートやタイヤなど特に重たい部品を組み付ける工程では、力持ちのロボットが一切人の助けを借りず、全てを自己完結していたのも印象的でした。
ところで、勝手な思い込みをしてたのですが、これまでは車と言えども特別な仕様車を除きテッキリ家電品などと同じように量産的な仕込み生産で作られているんだという何とも浅い認識でいたのですが全く違ってたんですね。
今回この現場で目にしたのは、いろんな車種のマチマチの色をした車が一緒に交じり合って次々に同じラインに乗って流れてきている姿でしたが、これには驚きました。なにしろ、私などがイメージしていた同一仕様の量産品をロットで流して生産効率を上げるという従来的な発想を超えていましたから。
この製造現場では車種などには関係なく客から請けた注文をきめ細かな生産計画に基づいて受注納期順にきちっと納車できるように個別受注生産で、無駄なく最良の物づくりをしているんだと言うことが良くわかりました。考えてみれば、当然この方が余計な在庫なども持たずに済み、理に適っていていいですからね。
そんな訳でこの工場では、例えば「IDタグ」から発信された情報を「生産指示紙」に打ち出して個々の車両に取り付け、どんな車種が流れて行っても正確な組み付けができるような工夫と配慮がなされていたり、全体の稼動状況についても常にリアルタイムで表した「総合アンドン」というものを掲示して生産情報の共有化を図るなど、働く人と生産される車への徹底した目配り・心配りがなされていることが分かり、流石は最先端工場との印象を持ちました。
実は、10数年前同社がこの地に創設(1991年創立)されて間もない頃にも、機会あって二度ほどマーク・などを生産しているところを見学させて貰ったことがありますが、時を経てまた一段と飛躍した魅力ある工場になっている姿を目の当たりにして、かって創業者の豊田佐吉翁が言われたという「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」との言葉を思い出しました。
今回もまた、本当に学ぶことの多い見学会でした。
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