“販売のプロ”育成のため自己啓発を奨励

北陸コカコーラボトリング株式会社の外観
株式会社津田屋は、1958年の設立。「サービスの追求による地域貢献」を企業理念として掲げ、カーショップ「イエローハット」(千葉・神奈川県下20店舗)および「コスモ石油サービスステーション」(千葉県下15店舗)を展開している。
同社常務取締役の松橋正樹氏より、カーショップ部門(イエローハット)での取り組みについてお聞きした。

販売士資格活用に至った経緯

当社では、2012年に社内の賃金規程を改正し、販売士資格を販売職の評価基準とした。(従来より、車輛整備と接客・販売を担当する「ピットスタッフ」については、自動車整備士資格が評価基準になっている。)販売職社員のレベルアップのため、各店舗の店長には販売士2級、店長代理以下の販売職には販売士3級の取得を義務付けている。
大学生(商学部)であった当時、販売士が必修科目になっていて、入社後、学んだ知識が大変に役立ったという経験があり、当社の販売職の評価基準について検討した際、販売士資格を評価基準として提案し、制度化したもの。

自己啓発に向けた支援

学習への取り組み方法を考えること自体が自己啓発の第一歩。学習方法を上司や先輩に聞くことも含め、教材を選択し、勉強方法を自分で工夫して努力することが最も重要。検定試験に合格すること自体が目的ではない。
販売職としての最低限の勉強が必要であるという観点から、2014年に再度、賃金規程を改正し、全社員に毎月定額で「自己啓発手当」を支給している。手当支給の目的は、社員が自己啓発について考え、勉強を始めるための動機づけである。教材の購入や販売士資格取得後の資格更新手続きを含め、自己啓発のための支出をまかなうことができると考えている。
一方で、会社の規程に基づく検定試験受験であることから、会社がリテールマーケティング(販売士)検定試験の受験料を負担し、試験日は出勤扱いにしている。

販売士資格活用の効果と今後の目標

学習の成果として、社員自らが、店頭で「してはいけないこと」、「言ってはいけないこと」、逆に、「言っておくべきこと」について、明確に区別して接客対応できるようになった。また、部下に対して、店舗運営や接客に関する知識に基づいて、具体的な指示・指導ができるようになった。知識が深まり、接客技能が向上することで自信につながり、販売活動についても積極性が出てきた。さらには、来店者からのクレームも減少した。
百貨店などの小売店のプロの販売員に負けない接客販売を目指しており、社員の自助努力の成果として、販売士有資格者の比率を向上させていきたい。

会社概要等

会社名 株式会社津田屋(つたや)
本社所在地 〒290-0225 千葉県市原市牛久503-1
代表者 代表取締役 林幸男
従業員数 正社員348名、パート・アルバイト51名(2015年4月1日現在)
売上高 136億2718万円(2015年3月実績)
資本金 9,060万円
設立 1958年
事業内容 イエローハット(カー用品販売)、コスモ石油(サービスステーション)、損害保険・生命保険代理店業務

販売士有資格者数(2016年5月現在)

2級20名、3級37名